労働監査のポイントは、労働関係法令等がどのくらい行えているかがポイントとなります。そこで当社では、労務に関する成績表を作成し、どのくらい労務管理を行えているかを正当に判断します。
相談事例
女性社員からのセクシュアルハラスメントの訴えにどう対応したら良いでしょうか?
今までも、女性社員から「更衣室をのぞき見された」「上司から身体を触られた」「職場で性 的な噂を流されて困っている」という訴えがありましたが、当社では、会社とは無関係の個人の 問題であるとして介入を控えてきました。今後、同様な姿勢で臨んで問題ないでしょうか?
セクシャルハラスメントの問題は個人の問題をして片付けて良いものではありません。会社の適切な対応が必要です。上司や同僚社員によるこうした言動は,セクシュアルハラスメントといわれ,女性の職場における人権を侵害するとして裁判に訴えられるケースが増えています。これらの裁判では人間関係上のトラブルに使用者が適切に対処すべきであるとし、労働者の人格権侵害を防止する適切な措置を講ずべき義務を認めるようになりました。これらの流れより男女雇用機会均等法では、第21条において職場におけるセクシャルハラスメント防止のために雇用管理上必要な配慮をするよう事業主に義務づけています。
具体的に事業主が配慮すべき事項については指針が定められており、
1.事業主の方針の明確化及びその周知・啓発
2.(1)相談・苦情への対応
(2)相談、苦情処理窓口の明確化
(3)適切かつ柔軟な対応
3.(1)事後の迅速かつ適切な対応
(2)事実関係の迅速かつ正確な確認
(3)事案への適正な対処
これらのような配慮・対応が事業主に求められています。
相談事例
従業員の経歴詐称が発覚しました。懲戒解雇としても良いのか?
ある従業員が、入社の際提出した履歴書に「高校卒業の後、親戚が経営する事業を手伝っている」と記入しており、採用試験の面接では「他の会社等に就熾したことはない」と話していました。ところが、某大学に2年間通い、退学後にある製造会社に就職していたことが判明しました。当社の就業規則では、重大な経歴について偽って入社したことが判明した場合には懲戒解雇することができる旨を定めていますので、即時に懲戒解雇することを検討しています。
経歴詐称は労働契約の締結に際しての問題であるため、労働契約の締結後の問題である企業秩序の違反にならないとして懲戒解雇の事由にならないとする考え方もあります。
しかし、判例では、労働者が使用者から学歴及び蹴歴について申告を求められた場合には労働者 は、少なくもそのうちの重安な部分については、これを正確に申告するのが信義則上の義務であ ると述べていることから、労働者が意図的に経歴を詐称し、詐称した内容が経歴の重要な部分に わたるうえ、使用者が労働者の真実の経歴を知っていたならばその契約を締結しなかったであろ うと認められる程の重大な詐称である場合には使用者はその経歴詐称を理由として労働者を懲戒 処分することを認めています。