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長時間労働に対する政府の取り組み開始

   

こんにちは、温かくなりました。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

政府が長時間労働の対策に取り組み始めています。具体的には現在労使で締結すれば条件付きで時間外労働の上限をなくすこともできる協定(以下36協定)の見直しを検討しています。また現行法でも時間外労働が100時間を超えた企業に対する労働基準監督署の立ち入り調査基準を、80時間に引き下げることなどの方向性を示しています。

月80時間以上で36協定の特別条項(特に忙しい時期に時間外労働の上限を超えて働かせることが可能な時間を締結するもの)を結ぶ会社は7割以上とも言われています。つまりこれらの会社は立入調査基準に該当してしまいますね。過労死の認定基準も加味するとやはり時間外労働は60~70時間くらいまでが人間が心も体も健康で暮らせる妥当な時間なのでしょう。

もちろん月に100時間超えようが、200時間近くに登ろうがばりばり働けるタフな心と体を持つ人もいますし、残業を1日1時間しても体の疲労が大きい方もいますのであくまで目安です。

我々も長時間労働は何とか対策を講じるべき優先順位の高い案件であると考えています。なぜならば、監督署からの指導、労災、時間外手当のコスト、損害賠償、人材の流出や、これらによる名誉の失墜と会社にとって遭いたくない数々のトラブルの大元になり得るからです。過労及び負担の大きな勤務体系により会社が損害賠償した裁判の賠償額または和解額例を挙げます。

 

○電通過労自殺事件:最高裁 1億6,800万円

○システム・コンサルタント事件:最高裁 3,200万円

○南大阪マイホーム・サービス事件:大阪地裁 3,960万円

○富士保安警備事件:東京地裁6,294万円

 

損害賠償は本人が死亡又は障害を負わずに健康に仕事をしていれば得ることができたであろう稼得利益「遺失利益」と遺族の精神的苦痛に対して支払われる「慰謝料」から成ります。それぞれの裁判にて会社はそれなりに理由もあったことでしょう。しかし、これらの賠償金額に見合うだけの過重な労働をさせたメリットはあったのでしょうか。

企業として大きくなればなるほど、既に回り始めている仕組みを改革するのは難しいものです。長時間労働が常態化していて何から始めたら良いか分からない、そんな時は週に1日休日を確保することから始めてください。それだけで先に書いたようなリスクが大きく軽減できるでしょう。

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