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育児・介護休業等に係る制度の見直し

   

2016年3月、国会において改正雇用保険法等が成立し、育児・介護休業法の一部が改正されました。今回は同改正で注目されている「仕事と育児の両立支援制度の見直し」及び「仕事と介護の両立支援制度の見直し」について指針等を紹介いたします。

仕事と 『育児』の両立支援制度の見直し

1. 子の看護休暇の取得単位の柔軟化
現行法では1日単位のみを取得単位としてきましたが、半日単位の取得を原則可能としています。なおここでいう半日単位とは基本的には所定労働時間の2分の1を指しますが、労使協定により、所定労働時間の2分の1以外の「半日」とすることもできます。

2. 有期契約労働者の育児休業の取得要件の緩和
改正法により有期契約労働者の育児休業の取得要件が緩和されます。(1)当該事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること、(2)子が1歳6か月に達する日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかである者を除きます。

3.育児休業等の対象となる子の範囲
現行法では育児休業等の対象となる子は法律上の親子関係である実子・養子に限られていましたが、今回の改正により特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子などといった法律上の親子関係に準じると言えるような関係にある子についても育児休業制度等の対象に追加することとされました。

4.妊娠・出産・育児休業・介護休業をしながら継続就業しようとする男女労働者の就業環境の整備
妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とする、上司・同僚などによる就業環境を害する行為を防止するため、雇用管理上必要な措置を事業主に義務付けることとされました。

仕事と『介護』の両立支援制度の見直し

1.介護休業の分割取得
取得回数の実績を踏まえ、対象家族1人につき93日まで、3回を上限として、介護休業の分割取得が可能となります。

2.介護休暇の取得単位の柔軟化
現行法では1日単位のみを取得単位としてきましたが、半日(所定労働時間の2分の1)単位の取得が可能となります。

3.介護のための所定労働時間の短縮措置等
介護のための所定労働時間の短縮措置等が介護休業とは別で保障され、利用開始から3年の間で2回以上の利用が可能となります。

4.介護のための所定外労働の免除
介護のための所定外労働の免除制度が今回の改正により新設されました。介護終了までの期間について労働者側が請求できる権利として新たに保障されるものですが、例外事由がいくつか設けられる予定です。

以上の通り、これらの改正により平成29年1月の施行までに、準備を進める必要があります。

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