TA(交流分析)と自己変革
TAとはTransactional Anaiysis(交流分析)の略語です。アメリカの精神科医エリック・バーン博士(1910~1970)によって創設された人間行動に関する理論で、集団心理療法を目的として発表されました。
昨今、TAを活用した社内のコミュニケーション力アップのための研修をさせて頂くケースが多くなっています。
手法については、後日に譲るとして、本日は、TAの根幹について触れさせて頂きます。
TAの究極的なゴールは、個人の自律性を高めることです。
自律性を高めるためには、
1.自己理解
2.自発性
3.親密性
の3つの能力が必要とされています。
1.自己理解を深める
自己への理解が深まると、他人を理解し尊重することができます。それゆえに、他人とのかかわり合いもより親密さを増していきます。私たちは自分を理解する以上には、他人を理解することはできません。自分を理解しないで、相手を知ろうとすると偏見をもったり誤解を生んだりしがちですが、自分を理解していくと他人は自分を映し出す鏡として捉えることができます。
2.自発性を高める
自発性とは、「自分のしたいこと」を自分で意思決定し、自分で責任を負うことです。
3.親密性を高める
親密性とは、「私の存在も、あなたの存在も互いに認め合って生きる真実にふれあいの状態」をいいます。親密性を高め、真実のふれあいをするためには、まず自分から心を開いて、自分の仮面を捨てる勇気が必要とされています。
ドイツの社会心理学者エーリッヒ・フロムは、「人生におけるもっとも大きな仕事は、人が自分自身に誕生を与えることであり、自分の内である可能性を実現させることである。人間が努力してつくりあげるもっとも重要な労作は、自分自身のパーソナリティの形成である」といいました。
また、ピーター・ドラッカーは「もはや組織は、権力によって成立はしません。信頼によって成立します。信頼とは相互理解なのです」といっています。
「コミュニケーションの質が高まると生き方の質が高まる。生き方の質が高まるとリーダーシップの質が高まる」
つまり、自律性を高め、コミュニケーション力が身につくと、よりリーダーシップを発揮するために人は「自己変革」をし続けることになります。
永遠の課題は、「自分」です。「自分」を探し求める旅が人生であるならば、人は「自己変革」を使命とせねばならないのかもしれません。
次回は、TAについての手法をご紹介したいと思います。お楽しみに!