一時帰休がある場合の標準報酬月額の取り扱いについて(特例)
新型コロナウイルス感染症の影響により、この度多くの事業所が従業員に対して一時帰休(休業)を実施しました。今回は、一時帰休(休業)させた場合の社会保険における標準報酬の取扱いについてです。
1.定時決定(算定基礎届の提出)
標準報酬の定時決定の対象月に一時帰休(休業)に伴う休業手当等が支払われた場合は、 7月1日時点で一時帰休(休業)が解消されているかどうかにより、取扱いが変わります。
○7月1日時点で、既に一時帰休(休業)の状況が解消している場合
4月、5月、6月のうち、休業手当を含まない月を対象とします。
4月、5月、6月いずれにも休業手当が支払われている場合は、従前の標準報酬月額で決定します。
○7月1日時点で一時帰休(休業)が解消していない場合
4,5,6月のうち休業手当等が支払われた月だけではなく、通常の支給が支払われた月も含めて報酬月額を算定します。※休業手当が支払われた月のみ、または通常の支給が支払われた月のみで算定するのではないので注意
日本年金機構HP(定時決定について詳細参照)
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-kankei/hoshu/20121017.html
2.随時改定(月額変更届の提出)
一時帰休に伴い、平常時の賃金よりも低額な休業手当等が支払われることとなった場合は、固定的賃金の変動とみなして、随時改定の対象となります。
固定的賃金が減額され支給される場合で、その状態が継続して3か月を超える場合に該当します。一時帰休の状況が解消したときも、同様に随時改定の対象となります。
『随時改定における特例』
2の随時改定における特例の取り扱いがコロナ禍の影響により発表されました。
新型コロナウイルス感染症の影響により休業した方で、休業により報酬が著しく下がった方について、事業主からの届出により、健康保険・厚生年金保険料の標準報酬月額を、通常の随時改定(4か月目に改定)によらず、特例により翌月から改定可能となりました。
標準報酬月額の特例改定は、次の3つの条件を全て満たす場合に行うことが可能です。
(1)事業主が新型コロナウイルス感染症の影響により休業(時間単位を含む)させたことにより、急減月(令和2年4月から7月までの間の1か月であって、休業により報酬が著しく低下した月として事業主が届け出た月)が生じた方
(2)急減月に支払われた報酬の総額(1か月分)に該当する標準報酬月額が、既に設定されている標準報酬月額に比べて、2等級以上下がった方
※ 固定的賃金(基本給、日給等単価等)の変動がない場合も対象となります。
(3)特例による改定を行うことについて、本人が書面により同意している方
※ 被保険者本人の十分な理解に基づく事前の同意が必要となります。(改定後の標準報酬月額に基づき、傷病手当金、出産手当金及び年金の額が算出されることへの同意を含みます。)
※ 本特例措置は、同一の被保険者について複数回申請を行うことはできません。
制度の詳しい内容及び申請の手続きについては、以下を参照してください。
リーフレット
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/0625.files/01.pdf
「標準報酬月額の特例改定についての詳細説明」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/0625.files/02.pdf