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障害者雇用法定率の引き上げ

      2021/03/08

従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。(短時間労働者は原則0.5人カウントとなります。)

 

民間企業の従前の法定雇用率は2.2%で、従業員を45.5人以上雇用している事業主は、障害者を1人以上雇用しなければなりませんでした。

 

この法定雇用率が令和3年3月1日から2.3%に引き上がり、対象となる事業主の範囲は従業員43.5人以上に広がりました。従業員43.5人以上45.5人未満の事業主は特に注意が必要となります。また、その事業主は以下の義務を負います。

・毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークへ報告。

・障害者の雇用促進と継続を図る為の「障害者雇用推進者」を選任するよう努める。

雇用義務を履行しない事業主に対しては、ハローワークから行政指導を受けることになります。

 

此の程、エン・ジャパンの運営する人事向け総合サイト上で「障害者雇用」についてのアンケート調査の発表がありました。その調査結果では、2021年3月「障害者雇用促進法」改正の企業認知度は58%というものでした。ほかにもいくつかの項目がありましたが、私自身はこの結果について、認知度の低さと、まだまだ障害者雇用に対する課題が多いことも実感しました。

 

障害者雇用は法的義務だから行うという企業も多いのが現状ですが、雇用に関する取組み自体の見直しを図ることで、企業価値の向上や業務の効率化等、メリットに繋がる点が多くあると期待できます。そして業務の効率化ではコロナ禍において、テレワークも非常に効果的で導入を推進している企業は増加傾向にあります。障害者にとってもそれは同じことで、通勤手段が無かったり、職場環境がバリアフリー対応になっておらず出社が困難であったが、在宅であれば意欲的に働きたいという方も少なからずいらっしゃるものと思います。

 

障害者を雇用する場合に活用できる支援制度として、サポートを実施している機関は様々あります。ハローワークなどの紹介により、障害者を短期試行的・段階的に雇い入れることによるトライアル雇用助成金。また特定求職者雇用開発助成金、さらに障害者雇用の経験がない中小企業が初めて雇用し、法定雇用義務を達成した際に助成される障害者雇用安定助成金などもございます。

 

働き方の多様化に向けて、障害者雇用のために利用できるサービスや支援策を存分に活用し、障害者だけでなく、健常者にとっても働きやすい環境づくりに取り組んでいくことが大切です。

 

厚生労働省参照:障害者の法定雇用率が引上げになります。

000694645.pdf (mhlw.go.jp)

 

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