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■「法定休日」と「所定休日」(金澤)

      2016/02/21

早くも秋からの新ドラマの情報が出てきていますね。
気になるドラマがいくつかありますが、その中でも日テレの「ダンダリン 労働基準監督官」が気になります。
しかし、あらすじを読んでみたところ、「ブラック企業の経営者や経営者の後ろ盾となっている『悪徳社労士』と対決していく・・・」とありました。

ちょっと・・・!!!悪徳て!(笑)でも、今からとっても楽しみです。

さて、今回は労働基準法では第35条にて定められている「休日」についてのお話です。
休日について、ポイントを箇条書きにしてみました。
(便宜上、土曜・日曜が会社の休日とされている会社であると仮定します。)

1)「休日」とは、暦日(午前0時から午後12時までの24時間)をいう。(職種等による例外あり)
2)「法定休日」とは、労基法35条で義務付けられた「週1回必ず与えなければならない休日」をいう。
3)「法定休日」に労働させた場合は、3割5分の休日割増賃金の支払いが必要である。(但し、36協定の範囲内で行うこと)
4)「法定休日」以外の休日を「所定休日」といい、この日の労働に対しては休日割増賃金の支払いは必要ない。
(但し、週40時間を超えた場合は、2割5分の時間外労働割増賃金の支払いは必要)
5)「法定休日」の曜日は、就業規則等で自由に定めることができる。
6)「法定休日」の定めがされていない場合は、週1回の休日が確保されていれば、その日が法定休日となる。
(つまり、土曜日に出勤すれば日曜日が法定休日となり、日曜日に出勤すれば土曜日が法定休日となる)
7)土日の両方とも労働した場合は、「一週間の中で後に到来する方」が法定休日となる。
8)「一週間」の始まりは就業規則等で自由に定めることができるが、定めていない場合は「日曜日から土曜日まで」と解される。

以上を踏まえると、「法定休日を定めなければ、2日の休日のうち出勤させてない方が自動的に法定休日とされるなら、法定休日の特定をしない方が休日割増が必要なケースが減り、人件費節約でお得では?」と思ってしまいますが、必ずしもそうではないので注意が必要です。

確かに、あらかじめ「日曜日を法定休日とする」と定めてしまっている場合は、日曜日に労働させたら(例え土曜日は休めても)休日割増賃金の支払いが必要になりますが、法定休日を定めていなければ、日曜日の労働に休日割増は必要ありません。例え、週40時間を超えた分について2割5分の時間外労働割増賃金を支払ったとしても、1割分支払いを免れるので、人件費削減につながる気がします。

しかし、注意すべきは平成22年4月に改正された労基法37条第1項です。「1ヶ月の時間外労働が60時間を超えた分については、5割以上の割増賃金が必要」なのです。(※中小企業は当分の間猶予されています)
「時間外労働は休日労働に比べて割増が1割分お得!」と思っていたのが、時間外労働時間が60時間を超えた時点から「休日労働の方が時間外労働に比べて1割5分お得!」に切り替わってしまうのです。

よって、場合によっては法定休日を特定しておき(例えば日曜日)、1ヶ月の時間外労働が60時間を超えそうになったら、出来るだけ日曜日に労働させて5割以上の割増賃金支払いを避けるという方法の方が人件費削減となります。
また、振替休日を多用する場合も、この「60時間超え」にご注意ください。

経費削減は会社経営上とても重要ですが、労働基準監督官にツッコミを受けないよう、法律は遵守でいきましょう!
悪徳社労士だなんて言われないよう、私もしっかり適法なアドバイスさせていただきます。

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