「シフト制」による勤務
2022/01/17
24時間年中無休のコンビニエンスストアやスーパーマーケット、旅館、ホテルなどの業態は、営業時間を特定の時間で区切って労働者が交代で勤務するシフト制を多く採用しています。
シフト制での勤務は、働く時間帯や曜日を自由に選択できるという特性から、主婦や学生アルバイトにも人気です。その反面、人員不足等の理由で労働者の希望を超える労働日数が設定されたり、またほとんどシフトに入れず見込んでいた収入が得られない等のトラブルに繋がるケースも見受けられます。
このようなトラブルを未然に防ぎ、シフト制での勤務が会社、労働者の双方にとってより良いものとなるよう、使用者が働く労働者の雇用管理を行うにあたり、現行の労働関係法に照らして留意すべき事項が厚生労働省にて作成されました。
「シフト制」とは労働契約の締結時点では労働日や労働時間を定めず、1週間、1ヶ月等一定期間ごとに作成される勤務シフト等で初めて具体的な労働日や労働時間が確定する勤務形態を言います。その作成されたシフトを基に法定労働時間を越えないよう、複数の労働者で決められたシフトパターン毎に交替して勤務していきます。この場合、三交代勤務のような年や月などの一定期間における労働日数や労働時間数は決まっていて、就業規則等に定められた勤務時間のパターンを組み合わせて勤務する形態は除かれます。
シフト制で勤務する労働者を採用し、労働契約を締結する際には以下の労働条件を必ず書面で明示しなければなりません。
①契約期間
②期間の定めがある契約を更新する場合の基準
③就業場所、従事する業務
④始業・終業時刻、休憩、休日など
⑤賃金の決定方法、支払時期など
⑥退職(解雇の事由を含む)
シフト制で労働契約を締結する際は、以下のようなシフトに関するルールについても予め合意しておくことがトラブルを未然に防ぐポイントになります。
・シフト作成時に、事前に労働者の希望を聴く
・決定したシフトの通知方法、通知期限を明確にしておく
・確定したシフトを変更する場合の通知・申出期限、その手続方法等を明確にしておく
・最大、目安の労働日数や時間数の把握と併せて、「1ヶ月〇日以上勤務」「1週当たり平均〇時間勤務」等の最低限の労働日数や時間数も定めておく
シフト制での勤務は働き方の自由度が高い分、労働契約締結時に労使間双方で合意が出来ていないと、年次有給休暇の付与や使用する日、休業手当の支払い、また社会保険、労働保険の加入等についても正しい対応をすることが出来ません。
シフト制労働契約簡易チェックリスト等を活用して、適正な管理が出来ているか確認しておきましょう。
厚生労働省:「シフト制」労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000870906.pdf