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プレゼンティーイズムの解消のために

      2023/03/10

健康経営優良法人2023の認証企業の発表が3月8日(水)に行われ、当社も中小規模法人部門の認証を取得しました。

健康経営とは「従業員の健康管理を経営上の問題と捉え、積極的に健康増進への取り組みを行っていく」経営手法で、アメリカの心理学者ロバート・H・ローゼンが1992年に自身の著書によって提唱したことによるとされています。

健康経営に取組む企業は、年々増えており、最近では自社の健康課題に「従業員の睡眠」を取り上げる企業が多くなりました。睡眠時無呼吸症候群の検査とは別の、睡眠導入アプリや睡眠測定システムの開発も進んできたように思います。

睡眠に関するセミナーも増え、最近受講した健康経営セミナーでは、「これから皆さんに仮眠を体験してもらいます」と言われ、5分間の仮眠時間が設けられるという面白い試みがありました。仮眠室を設ける企業も多くありますが、仮眠は座った状態で30分以内でとることがポイントのようです。

睡眠については長さよりも「質」を向上することに重点が置かれており、厚生労働省でも特設WEBコンテンツが公開されているほどです。

https://www.smartlife.mhlw.go.jp/minna/sleep/

昔から「寝る子は育つ」と言われるように、睡眠は疲れを取るだけでなく、ホルモンバランスの調整にも影響があるとされているのは皆さんもよくご存じかと思います。では、睡眠という個人の問題に、企業が取り組む理由は何でしょうか。

15歳から64歳までの生産年齢人口の減少は喫緊の課題とされており、出生数が初の80万人を切った今、将来の労働力の確保は、わが国にとっても重大なものと言わざるを得ません。「もう少し人を雇いたいけど応募がない」と言っている現在から、「人が集まらないから廃業するしかない」の未来に変わらないためにも、今いる従業員に、パフォーマンスを維持したまま、より長い期間働いてもらうことが必要とされています。

腰痛、肩こり、頭痛、メンタル不調…等々、出勤はできているものの体調がすぐれず、本来のパフォーマンスが出せずに仕事をしている状態のことをいう「プレゼンティーイズム」には、睡眠不足も当てはまります。睡眠不足は飲酒時同様の脳の状態に陥ると言われているため、従業員が質のよい睡眠を取れるよう取組むことは、労働生産性向上に好影響と期待されているのです。

パソコンやスマホを長時間見ることで、目の周りの筋肉が硬直し、肩こりや頭痛に繋がることはよく知られていますが、睡眠不足のために目の疲れが取りきれず、眼精疲労を引き起こすとも言われています。目の周りのマッサージだけでなく、耳の上周辺にある側頭筋や、うなじ周辺の後頭下筋群のマッサージもお勧めです。眼精疲労の解消と、心地よい睡眠の導入に効果があります。

自身でできるマッサージやストレッチ運動を行い、今日からは質のよい睡眠を取り戻しませんか。

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