化学物質管理者の選任義務化
2024年4月1日より、労働安全衛生規則改正に伴い、リスクアセスメント対象物を①製造し、取扱う事業場ごとに、又はリスクアセスメント対象物の②譲渡、提供を行う事業場ごとに、化学物質管理者を選任しなければなりません。
業種・事業場規模を問わず選任する必要があり、1人以上であれば選任すべき人数に決まりはありません。
但し、複数名選任する場合は職務分担や責任の所在を明確にする必要があります。
・化学物質管理者の職務内容
上記の①の事業場では、リスクアセスメントの実施に関すること、リスクアセスメント対象物を原因とする労働災害が発生した場合の対応等の化学物質の管理に係る技術的事項を管理しなければなりません。
上記の②の事業場では、表示等および教育管理に係る技術的事項を管理しなければなりません。
*「表示等」とは表示対象物に係る表示と通知対象物に係る通知をいい、「教育管理」とは表示等に係る事項の管理を実施するに当たって労働者への必要な教育を言います。
・化学物質管理者の資格
化学物質管理者は、リスクアセスメント対象物を製造している事業場では、講習を終了した者等から選任する必要があり、取扱う、譲渡又は提供を行う事業場では講習等を修了した者のほかに必要な能力を有する者とされています。
選任時期は選任する事由が発生した日から14日以内と行わなければならず、選任後は掲示すること等により関係労働者に周知する必要があります。選任したことによる監督署へ届出は不要です。
化学物質管理者を選任した事業者は、リスクアセスメントの結果に基づく措置として、保護具を使用させるときは保護具着用管理責任者を選任しなければなりません。
職務内容は保護具の適正な選択や管理とされており、資格は必要ありませんが、保護具に関する知識や経験を有すると認められる者のうちから選任するとされています。
科学物質管理者と同様に14日以内に選任し、掲示等で周知する必要があります。監督者への届出は不要です。
事業場における化学物質に関する管理体制の強化にも繋がりますので、対応していく必要があります。