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歯科衛生講話を受講して

      2024/08/30

当社の健康経営の新たな取組「口腔ケア」の一環で、名古屋市中保健センターの歯科衛生士の方にご来社いただき「歯科衛生講話」を全従業員で受講しました。突然の講話依頼の問い合わせにも丁寧かつ的確にご対応下さり、講話も明るく楽しい時間となりましたこと、本当に感謝しています。

6月の当社全体会議にて「日歯8020テレビ」の動画を3本受講し、歯周病についての学習していたこともあり、歯科衛生士の方には「歯周病からの病気の罹患などを防ぐ目的で、ヘルスリテラシー向上に繋がるお話し」という内容でお願いをしましたが、講話内容は全面的にお任せしたので、私はただただ楽しみに当日を迎えました。

講話は、手作りの模型を使って、嚥下についてなど「口」に関することを分かりやすくお話ししていただくところから始まりました。私達が食べ物を口に入れる際には、脳が「安心安全な大きさ」を本能的に感知して一口かじっているというお話しは、これまでに気にも留めていなかった動作のことでした。認知症を患ったり、脳に障害が起こると、この「安心安全な大きさ」を感知できず、口の中一杯に食べ物を入れてしまうことがあるそうです。

口の中に入った食べ物を、歯はもちろん舌や頬の筋肉も上手に使って「食塊(しょっかい)」という塊にするのですが、例えば脳梗塞を患い右半身が麻痺してしまうと、右側の筋肉が使えないために、口の中では右側に食べ物がたまってしまうそうです。

口から、喉を通り食道へと「食塊」は運ばれて行くわけですが、「誤嚥性肺炎」についても仕組みを分かりやすく説明していただきました。食道は普段は「喉頭蓋」とよばれる筋肉で蓋がされていて、肺へ空気を送るための気道が開いた状態になっているのですが、「食塊」が喉を通る際には「喉頭蓋」が気道を瞬時に塞いでくれるため、食道に正しく「食塊」が運ばれていきます。この「喉頭蓋」は不随意筋という、無意識に動く人間の筋肉の一つなので、私達は食べ物を飲み込むたびに「喉頭蓋」を意識して動かす訳ではありません。口の中にこんな機能の筋肉が存在していたとは、驚きでした。

食べ物が気管に入りそうになってせき込む「せき反射」も、加齢による筋力低下や病気などで反射が低下するために、「喉頭蓋」もうまく機能せず、「食塊」が気道の方に流れやすくなり「誤嚥性肺炎」が起こります。口まわりの筋力を維持することが、歯周病防止のみならず、誤嚥性肺炎を防ぐためにもとても大切であることを学びました。

歯磨き指導もしていただきましたが、まず、染出し液を歯に塗って、自身の歯の汚れが残っている部分を、歯ブラシとタフトブラシを使って磨きました。模型のようなきれいな歯並びなら磨きやすそうですが、歯の生え方によっては磨き残しが出やすいこともあり、10分くらいかけて、各人が手鏡を見ながら、染出し液で染まった部分を綺麗に取ることに集中しました。手鏡で見ながら歯磨きすることもポイントです。

“歯ブラシは鉛筆を持つくらいの力で、力任せに磨かない”など、何度か歯医者にお世話になる中で、聞いたことはありますが、実際に歯磨き指導を受けたとしても、日が経つうちに忘れ、ついゴシゴシを磨いてしまう…ことは、多くの方が共感することではないでしょうか。

歯の嚙み合わせ部分は、ゴシゴシと磨いてもいいそうですが、歯と歯茎の境は、歯ブラシの先が歯周ポケットに入るような角度で当て「動かさずに揺らす」ことがポイントです。染出し液を使うと、歯ブラシで強く磨いても汚れが取れないことも分かります。歯ブラシで当てづらい部分には、先端が尖った一山のタフトブラシが入りやすい上に、歯茎をマッサージできるので、気持ちがいいです。

仕上げに歯間ブラシやフロスで歯と歯の間に残っている汚れを取り、最後に薬用マウスウォッシュで口をすすいで完了です。

その他には、口臭チェッカーに息を吹きかけて吐く息をチェックしたり、唾液にヘモグロビン検出紙を付けて、口の中の血液残留をチェックしたりと、1時間の中でかなりの学習をすることができました。

28~32本の永久歯を「日歯8020テレビ」のタイトルのように、80歳まで20本以上の歯を残すことを目標に、毎食後の歯磨きと口周りの筋力維持向上に努めたいと思います。笑うと病気が逃げていくと言われますが、笑い過ぎた時に頬筋や腹筋が痛くなる経験を思い出すと、合点もいきます。

「口腔ケア=歯磨き」だと私は思いこんでいましたが、今回の講話で、まずは「口」についての知識を持つことがいかに大切かを知り、知識を持った上で口の中を清潔に保つことで肺炎を始めとする病気の予防に繋げようと意識が働き、“「口腔ケア」はだから大事なんだ”と思えることに、深く納得できました。素晴らしい講話を本当にありがとうございました。

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