■モチベーションアップのために
2016/02/09
モチベーションを上げるためには、「助言」や「説得」よりも効果のある方法があります。
その方法を探る前に「助言」や「説得」の限界を認識する必要があります。
それは、
1.「理性」への働きかけであること。
2.相手より「目線」が高くなりがちで、相手は見下ろされる感じになりやすいこと。
3.「正論」になりがち=「正論」は傷つけやすいこと。
4.「説得」とはコントロールすることで外圧的なこと。
「助言」や「説得」は、バランスのとれた健全な人や上下の信頼関係のある中で下に位置するような人に対しては有効ですが、心理的な問題(強い不安や不信感等)を抱えた人には、感情的な反発を生みやすいといわれています。日本人は元来、ウエット(感情的)→理性よりも感情によって心が動きやすいといわれています。
そこで、モチベーションを上げるためには、「助言」や「説得」よりも「関係(性)」が有効であるとロジャース(来談者中心療法提唱者)はいいます。
つまり、
「この人の前では安心できるし、良い子を演じなくても受け入れてもらえる。ありのままの私を認めてもらえる。私の感じていることを一緒に感じてもらえるし、しかも単に仕事上の義務からではなく本心からそうしているようだ」と相手が感じるような「温かい関係」がモチベーションアップには有効であると。
こうした「関係」をつくりだす技法が、「傾聴」(受容、共感をベースにした聴き方)であり、とくに「共感」が信頼関係を生み出すと。
モチベーションを上げるのは、「理性」への働きかけではなく、「感情」への働きかけである、といえます。