■目標による管理とは?参考編
2016/02/21
目標管理の名のもとに、通常行われている個人や部門の目標設定の仕方は、誤っており、むしろ有害でさえある。普通、目標管理と称して、「これが組織全体としての目標である。この目標を実現するには、君として何をしなければならないと思うか」と質問しているが、このような問題提起の仕方は間違いである。
では、どう問わなければならないか?
①この組織の果たすべき役割を考え、組織としての目標、優先順位、戦略を考えよ
②それらの目標、優先順位、戦略から、組織は今後一年もしくは二年という期間に
おいて、君と君の部門に対して、いかなる責任を与えるべきと思うか
③その上で、君と君の部門が目標とすべきものは何か
④それらの目標を達成するために、君は何をしなければならないか
⑤組織全体として、また君の部門として、新たな成果をあげられるものは何か。問
題となるものは何か
もちろん、これらの設問に対する答をもとに、最終的な意思決定を行うのは、経営にあたる者である。経営管理の浪漫派たちがいうように、必ずしも部下のほうが問題をよく知っているわけではない。しかし、上司のほうがよく知っているわけでもない。はっきりしていることは、部下と上司では、何をなすべきか、何をなしうるかという点について、考えが違うということを互いに認識しあわない限り、いかなる意思の疎通も不可能だということである。また、部下の側に仕事や成果や組織に対する責任感がない限り、目標管理の導入も不可能だということである。