■短時間労働者の社会保険の適用拡大
2016/01/25
新年明けましておめでとうございます。
昨年はお世話になりましてありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回は以前のコラムで少し書かせていただきましたが、今年施工される予定の「短時間労働者に対する社会保険の適用拡大」についてです。これ は、パートやアルバイトなどの短時間労働者であっても、条件を満たせば社会保険の加入義務が発生するということです。労働形態の違いによる社会保険の格差 を是正する目的で考えられました。
また、現行の制度では、収入が130万円を超えると社会保険の扶養から外れることにより、130万円以内に抑えるために少ない時間で働く傾向にあり ます。少ない時間で働いた方が有利になるような仕組みを除去するために、今回、この制度が見直されました。施工 されるのは平成28年10月からです。
現行では週30時間以上の(正社員の所定労働時間が40時間の場合・一般の従業員の概ね4分の3)労働をしている短時間労働者は、社会保険の加入義務があったわけですが、改正により加入義務の要件は次のようになります。
1・1週間の所定労働時間が20時間以上の者
2・月額賃金が88,000円以上(年収106万円以上)
3・勤務期間は1年以上の見込がある者
4・従業員501人以上の企業
5・学生は対象外
ここで勘違いしやすいのは、従業員501人以上の企業とは全従業員のことと思われがちですが、全従業員の数ではありません。厚生労働省のHPでは、 「現行の適用基準で適用となる被保険者の数で算定する」となっています。つまり、現在の適用基準の週30時間以上の労働者が何人いるかで算定するというこ とです。
例えば、600人の従業員がいた場合、そのうち週30時間以上の労働者が400人で週30時間未満の労働者が200人の場合、対象になるのは400人となるため加入義務はないことになります。
500人以下の企業については、平成31年9月30日までに検討を加え、その結果に基づいて必要な措置がされるとのことです。500人以下の企業にもいずれ同じように加入義務が課せられることに なる可能性ががでてくると思われますので、
企業としては、早い時期より、パートやアルバイトの労働形態の把握をして、負担となる社会保険料についての対策をしておく必要があるのではないかと思います。