悲しいニュースを踏まえて
2016/03/23
最近立て続けにお客様への監督署の調査対応をさせていただきました。それぞれ会社のプラスになる良い臨検になったと感じています。
2016年1月、長野県でスキー客を乗せたバスが道路から転落し、運転手を含む多くの方が死亡する悲惨なバス事故が起きてしまいました。この事故を受け、青梅労働基準監督署がバスの運行会社に、渋谷労働基準監督署が旅行会社にそれぞれ立ち入り調査を行いました。この事故が起きた際に当初私は運転手の過酷な長時間労働により居眠り運転を起こし事故に繋がったのではと考えました。監督署も同じ様に考えて、会社の労務管理を調査しようとしたのでしょう。その後の社長さんが人生をかけて遺族にお詫びをしていきたいと話していたのが印象的でした。
事故原因は専門家が調査中ではあるのですが、一説では運転手は大型車両の運転に慣れていなく運転技術による事故の可能性も指摘されていました。さらにはブレーキの故障の可能性も挙げられていました。36協定を締結していなかったという記事はありましたが、長時間労働があったという記事は目にとまりませんでした。
万が一原因が運転技量不足によるものであった場合、会社は人材の配置に問題があった可能性があります。もう少し社内教育を整備していて、十分な修練がされていたら起きなかった事故かもしれません。
ブレーキが故障していたのであれば、車両整備は適切に行われていたのかという点に目が向きます。違法に長時間労働をしたうえでの居眠り運転であったのであれば、なおのこと会社責任が問われるでしょう。
このような事故が起きてしまった場合、今回の様に会社の責任問題と発展するのは避けられません。何時何が要因となって大きな事故となるか誰にも分かりません。
“ウチは大丈夫であろう”ではなく、“何か起きてしまうかもしれない”という意識で会社はリスクには敏感でありたいものです。そういった意味では知らなかったことを教えてくれる監督署の臨検も前向きに受け入れられます。
事故に遭われた方々のご冥福をお祈りいたします。