企業に職場情報の提供を法律で義務付ける制度
2016/03/29
「若者雇用促進法」に基づいて、就職活動中の新卒者等が求めた場合、企業に職場情報の提供を法律で義務付ける制度が3月1日からスタートしました。
ミスマッチ等に因る不本意な早期離職等を防ぐのが狙いのようです。
3月1日は2017年春の卒業予定の新卒者等の就活が本格スタートしたこともあり、もっと話題になるのではないか?と考えておりましたが、2015年9月11日に成立(施行日:一部、平成27年10月1日、平成28年3月1日、平成28年4月1日要確認)した法律ですから、それほど混乱が生じなかったのかもしれませんね。
3月1日から施行されたものは新卒者等から要請があれば職場情報を提供することが義務づけられており、対象は以下の3項目のうち、それぞれ1つ以上となっています。
1.募集・採用に関する状況
(1)過去3年間の新卒採用者数・離職者数
(2)過去3年間の新卒採用者数の男女別人数
(3)平均勤続年数
2.職業能力の開発・向上に関する状況
(1)研修の有無及び内容
(2)自己啓発支援の有無及び内容
(3)メンター制度の有無
(4)キャリアコンサルティング制度の有無及び内容
(5)社内検定等の制度の有無及び内容
3.職業能力の開発・向上に関する状況
(1)前年度の月平均所定外労働時間の実績
(2)前年度の有給休暇の平均取得日数
(3)前年度の育児休業取得対象者数・取得者数(男女別)
(4)役員に占める女性の割合及び管理的地位にある者に占める女性の割合
職場情報を求める具体的な手続きとしては、採用ページでのプレエントリーの際に企業側に尋ねるほか、書面や電子メールで学生が氏名や連絡先、学校名などを企業に示した上で、何を知りたいか希望を伝えてもいい、と。公共職業安定所や大学の就職課が扱っている求人に関しては、その組織を通して企業側に伝えることができる。
一方で、職場情報の求めに対し、何が何でも応えなければならないのではなく、そこにもルールがあり、厚生労働省は、新卒者側が行うべき“情報公開の求め方”のルールも明示しております。
(1)求職者の氏名
(2)連絡先(郵送の場合は住所、Emailならメールアドレス)
(3)所属学校名、在学年又は卒業年月
(4)情報提供を希望する旨
情報公開が義務づけられているのが「対象3項目の内、それぞれ1つ以上」であり、を某労働局職業安定課に確認をとったところ、「当該ルールに則って問い合わせてきていない場合には、それを理由に回答いただけなくとも差し支えない」と。
ミスマッチ減少につながると良いですね。