日々進化する機械にも頼れないこと
近年はインターネットの普及が広がり、あらゆる場面で便利になったなとつくづく感じます。20年前には、インターネットショッピングの話をしても、信じない人が居ました。「今ある店舗は全部なくなるの?」と言う人も居ました。でも、今では当たり前になっていますよね。
私がインターネットの普及によって便利になったと思う中の一つに、図書館の利用があります。それまでの私にとって図書館は、背表紙を眺めながら読みたい本を探すので、ひっそりとしていて寂しい中に長居しなければならないという、悪いイメージでしかありませんでした。
でも、最近はサイト検索で読みたい本を探せる上に予約まで出来てしまうので、図書館では貸し借りの処理だけで済んでいます。本を購入すると、いつでも読めるからと後回しにしてしまう私には、貸し出し期限のある図書館は節約になる上に、とても便利なところです。
人気の本は予約件数が多く、回ってくるまでに数週間はかかるので、順番待ちの合間には気になるキーワードの本を借りて読んでいます。最近借りた本は、発行日も確認せずにタイトルだけで予約したので、手にした時の古めかしさに驚き、すぐに奥付を見ると20年前の著書のものでした。ちょうど私が社会人になったばかりの頃です。時代を感じる装丁にはちょっとショックでした。
内容は、著者が覆面で企業に電話を掛け、その電話対応から企業を診断するというものです。確かに新人の頃、「電話対応は、抜き打ち調査される」と言われたことがあったので、本当に存在したのだと、今頃になってぞっとしたものです。
最近は携帯電話が当たり前になっているため、固定電話しかなかった頃と違い、周りに誰も居ない環境で電話に出ることが増えています。“怒っていたお母さんが電話に出た途端、甲高い声に変わって子どもが驚く”なんて笑い話も、少なくなってきているのでしょうか。そんな時代背景もあり、会社の印象にも繋がる電話対応は、何の教育もせず新入社員に任せるのはお勧めできません。
ビジネスでの電話は、プライベートとは全く違うので、挨拶、敬語の使い方などの基本的なことから、相手の話しを遮らない、否定的な言葉を使わないなどのビジネスマナーの教育は最低限必要です。声のトーンやスピードなど、本人が気付かない癖も意外とあるものです。もちろん、電話機そのものの使い方も教えなければ、意図せず掛かってきた電話を切ってしまうことも考えられます。
今でも、電話対応に絶対の自信はありません。でも、最近の電話機はナンバーディスプレイ対応が主流なので、あらかじめ登録された番号は会社名が表示され、社名の聞取りはとても楽になったと思います。みなさんも常連のお客様のお名前を何度も聞きなおして不快にさせるといったことは、減ってきているのではないでしょうか。
でも、肝心の電話対応は、電話機には頼れないので学ぶしかありません。私が今でも、“今の対応はどうだったかな”と自信がないところの一番は、「否定的な言葉を使わない」ことです。研修時には、“相手が間違っていても決して否定せず、しかし、間違っていることを伝えなければならない。まわりくどくて、結局何が言いたいのか伝わらないのも駄目。”という、なんとも難しいことを言われました。
家族でも「それは違う。」と言われると不快になるのに、自分がお客の立場であれば余計に腹が立つというのが、人の心理のようです。でも、自分がお客の立場に居るときの方が、相手の対応が勉強になりませんか。まさに「人の振り見て我が振り直せ」です。
しかしながら、当社にお電話いただいた際、私の対応で不快な点がありましたら、どうぞご自身を省みることなくご指摘ください。お互いが快く受けられる電話対応を心がけたいものです。