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「年金受給資格期間10年へ短縮」

   

今年の8月1日(9月分の年金)より、年金の受給資格期間が短縮され、いままで、未年金だった方にも年金をもらえるチャンスがやってきます。

法律が改正し、今まで年金の受給資格期間が25年ないと年金は受給することができませんでした。その期間が10年に短縮されます。

受給資格期間とは、「国民年金保険料納付済期間」「国民年金保険料免除期間」「被用者年金加入期間」を合わせた期間を言います。

これの3つの期間をあわせた期間が、10年以上25年未満の方は下記の時期に年金の請求書が送られてきて、請求をすることで、年金の受給が始まります。

また、受給資格期間が10年未満の方であっても、合算対象期間等がある場合は、受給できる可能性があります。

合算対象期間とは、受給資格期間にカウントされるが、年金額には反映されない「カラ期間」とも呼ばれる期間です。例えば、①S36年4月~S61年3月までの厚生年金・船員保険及び共済組合の加入者の配偶者で国民年金に任意加入しなかった期間のうち20歳以上60歳未満の期間②S36年4月以降で国民年金に任意加入したが保険料が未納となっている期間で20歳以上60歳未満の期間③日本人であって海外に居住していた期間でS36年4月~S61年3月までの国民年金が適用除外されていた期間、S61年4月以降の国民年金任意未加入であった20歳以上60歳未満の期間④S36年4月~H3年3月までの昼間の学生等であった期間で国民年金の任意未加入であった20歳以上60歳未満の期間⑤日本国籍を取得または永住許可を受けた人などのS36年4月~日本国籍の取得した日または永住許可を受けた日の前日までの20歳以上60歳未満の海外在住期間⑥日本国籍を取得または永住許可を受けた人などの在日期間で、国民年金の適用除外とされたS36年4月~S56年12月31日までの20歳以上60歳未満の期間等があります。この他にも様々な合算対象期間はあります。そのため、受給期間が足りなくて、年金をもらえないと思っていた人でも、確認してみる価値はあります。

平成29年2月末から、7月上旬まで5回に分けて期間短縮用のターンアラウンドの年金請求書を順次発送する予定とのことです。

2月下旬~3月下旬 大正15年4月2日~昭和17年4月1日に生まれた方

3月下旬~4月下旬 昭和17年4月2日~昭和23年4月1日に生まれた方

4月下旬~5月下旬 昭和23年4月2日~昭和26年7月1日に生まれた方

5月下旬~6月下旬  昭和26年7月2日~昭和30年10月1日に生まれた方

6月下旬~7月上旬   昭和30年10月2日~昭和32年8月1日に生まれた方・大正15年4月1日以前に生まれた方・共済組合等の加入期間を有する者

年金を受給するためには、送られてくる請求書と必要書類を持って、年金事務所にて請求することが必要です。

また、実際にもらえる年金額としては、40年の場合は年額で78,100円(月約65,000円)ですが、10年の場合は年額で約195,000円(月約16,000円)です。

この制度によって、外国人の受給資格者が増大することも考えられます。企業の担当者様は、外国人の従業員が退職等により帰国する場合、年金の受給の仕方、あるいは、脱退一時金の受給の仕方を説明することが必要になるかもしれません。なお、脱退一時金については、受給資格期間を満たしている場合は受給できませんので、ご注意ください。

 

 

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