休業(補償)給付について
本日は、労災の休業補償給付についてまとめます。ご存じの方も、ポイントをもう一度確認いただければ幸いです。
休業(補償)給付
休業(補償)給付とは、労働者が業務上の事由又は通勤による負傷又は疾病の療養のため労働することができないため賃金を受けない場合に、生活費を補うことを目的として支給されるものです。
支給要件
- 労働者が業務上又は通勤により負傷し、又は疾病にかかる事
- 上記1の療養のために労働することができないこと
- 賃金を受けないこと
- 3日間の待機期間(継続、断続を問わない)を満たすこと
労働することができない
「労働することができない」とは全部又は一部労働不能であることをいい、労働者が負傷(疾病)にかかる直前に従事していた種類の労働ができない場合のみではなく、一般的に労働不能であるということとされています。例えば、現場作業員として働いていた場合、別の軽易な仕事に復帰できると医師が判断した場合には、医師の証明が受けられずに、支給が終了するケースが考えられます。
賃金を受けないとは
会社が賃金の一部を支払っていても、それが平均賃金の60%に満たない場合は、休業補償給付は全額支給されます。平均賃金の59%の賃金が支払われても、休業補償給付は全額支給されます。休業(補償)給付と併せて特別支給金20%が支給されますから、59%の賃金、60%の休業(補償)給付、20%の特別支給金で合計139%労働者が受け取るということもありうるといえます。
待機期間についての注意点
残業中の業務災害により労働不能となった場合の休業日数の算定は・・・・
所定労働時間の一部休業の場合のみ負傷当日を休業日数に算入する。残業中に一部を休業した場合は、次の日から休業日数を算定します。
待機の完成
継続・断続を問わず合計日数が3日あれば完成します。
労働基準法上の休業補償
必要性
業務災害の場合、休業最初の3日間は、事業主自ら労働基準法76条に規定する休業補償を行わなければなりません。
休業補償が行われたとされるもの
- 部労働不能であって、平均賃金の60%以上の金額が支払われる場合
- 一部労働不能であって、平均賃金と実労働時間に対して支払われる賃金との差額が60%以上の金額が支払われる場合
休業補償に年次有給休暇を当てはめることは可能とされていますが、事業主が一方的に年次有給休暇を当てはめることはできません。原則、労働者の指定する時季に与えなければならないためです。しかし、年次有給休暇を当てはめることは労働者にもメリットがあります。なぜなら、休業補償は60%以上とされているため、60%支払えば足るからです。労働者から「年次有給休暇を別日に使おうと思っていたのに会社から相談無しに使用された・・」などといわれないように事前に説明をしましょう。
支給期間
傷病(補償)年金に切り替わらなければ、要件を満たしている限り支給されます。
請求手続き
労働者の賃金データ、勤怠データ、支給請求書(様式第8号又は16号の6)に医師の証明が必要となります。請求書は、所轄労働基準監督署に直接提出となります。