休憩時間について
暑い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。秋風を感じる頃はまだ少し先になりそうですが、皆様もお体にお気をつけて残暑を乗り切りましょう。
さて、本日は事務員の電話(来客)当番の休憩時間について考えてみたいと思います。
休憩時間の意義
休憩時間とは単に作業に従事しない手待ち時間を含まず、労働者が権利として労動から離れることを保障されている時間の意であって、その他の拘束時間は労働時間として取り扱うこと(昭和22年9月13日発基第17号)とされます。
厚生労働省編労働基準法コンメンタールの見解
「労動」とは、一般的に、使用者の指揮監督のもとにあることをいい、必ずしも現実に、精神又は肉体を活動させていることを要件とはせず、したがって、例えば荷物取扱の事業場において、荷物の積込係が、貨物自動車の到着を待機して身体を休めている場合とか、運転手が2名乗り込んで交代で運転にあたる場合において運転しない者が助手席で休息し、又は仮眠しているときであってもそれは「労動」であり、その状態にある時間(これを一般に「手待ち時間」という。)は労働時間である。(昭和33年10月11日基収第6286号)
休憩時間は冒頭の解釈にあるように、労働者が1日の労動の過程において、権利として労動から解放されることを保障されている時間です。この休憩時間は労働時間として取り扱う必要はありません。
与え方の規制(労働基準法第34条3項)
途中付与の原則・・休憩時間は、労働時間の途中に与えなければならない。
一斉付与の原則・・休憩時間は一斉に与えなければならない。(特例有り)
自由利用の原則・・休憩時間は、自由に利用させなければならない。
第3項で休憩時間は、自由に利用させなければならないとあります。休憩時間中に労動を命じられたり、あるいはいつ命じられるか分からないような状態では休憩にはなりません。休憩時間とは、自由にすることが保障される時間であって、現実には作業をしていないが、使用者からいつ就労の命令があるかもしれない状態で待機しているいわゆる手待ち時間は、就労しないことが使用者から保障されていないので休憩時間には該当しないのです。従って、昼食休憩時間中に電話(来客)当番をさせれば、その時間は、実際に来客や電話がなくとも労働時間であるとされるため注意が必要です。
参考
・休憩時間の自由利用の特例
警察官や家庭的保育者の一部等については自由利用の原則は適用されません。
・休憩時間規制の適用除外
電車、自動車、船舶又は航空機に乗務する機関手、運転手、操縦士、車掌等の乗務員で長距離にわたり継続して乗務するもの等について休憩時間を与えないことができる。
・労働時間、休憩及び休日の規定の適用除外
農業・水産業に従事する者
管理・監督者、機密の事務を取り扱う者
監視・断続的労動従事者(所轄労働基準監督署長の許可を受けたもの)