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インド事情

   

愛知中小企業家同友会アジア共生研究会のメンバー14名にてインドデリーに行ってきました。その報告をさせていただきます。

視察目的は、インドの経済状況と日系企業動向の把握です。

期間は、2017年9月2日(土)から6日(水)です。

2日は、THE LALIT NEW DELHI (宿泊先)にて20時(日本時間23時30分)に夕食をとりました。食後全員で軽くワインと水煙草を飲みに行きました。水煙草はなかなか刺激的でした。

3日は、日曜日ということもあり、インド門、赤い城、フュマーン廟、クトゥブミナール、ラクシュミーナーラーヤン寺院等を観光しましたが、企画外で行ったデリー市内の屋外市場が大変生々しくて興味がありました。時期てきには、夏のおわりなのですが、15時が最高に暑く、36度が40度近くに感じられました。半端ない暑さです。

4日は、午前中にジェトロ・ニューデリーを訪問しました。古屋さんというインド歴4年の女性がお話しをしてくれました。

人口は約12億(多分13億はいます) 面積は329万K㎡(日本の約9倍) 言語はヒンディ(公用)・英語(準公用)・他21 宗教はヒンドゥ・イスラム・キリスト・シーク・仏教・ジャイナ

統治は連邦制(29の州、7の連邦直轄地) 政治は議会制民主主義(イギリスの植民地の影響) 通貨はルピー(10ルピーで約20円) 邦人は9,147人(2016年10月)※ 5,000人がデリー近郊

初任給(日本円換算2016年実績) 高校卒3万円・大卒(6万8千円)・大学院卒(9万6千円)

平均月給(日本円換算2016年実績全産業共通) 役員90万円 部長級54万円 課長級29万円 係長15万8千円 一般事務職8万3千円

2014年5月に誕生したモディ首相の導入した経済改革として、1.国民皆銀行口座制度 2.高額紙幣廃止(ブラックマネーの撲滅が目的)があげられる。「メイク・イン・インディア」=若年層の雇用確保と貿易赤字の削減を進める。

質問として、まずインドにおけるビジネスは成功するのか?

メイク・イン・インディアに代表されるように、内需でまかなわれるだけの市場はあるが、外資を全面的に受け入れてまで進めようという焦りはない。自分たちのペースで、自分たちの創意工夫でやっていけば「なとかなるさ」という見切り発車的考え方が特徴である。そのために他のアジア諸国には点在するイオンやコンビニエンスストアーが存在しない。インドでも富裕層においては、自主的に一人っ子政策をとり、教育にお金をかけ、最難関とされるインド行政職(IAS)のエリート官僚を目指すそうです。スズキのようにローカル企業化して地道に継続していくことが成功の早道かも。

次に、インド人気質について説明を求めたときに、教えていただいたのが、「ジュガード」というものです。

「ジュガード(Jugaad)」はヒンディー語で、その意味は「目の前にあるモノで、新しいモノを創造する」と説明され、 つまりは、斬新な工夫による応急処置ということらしいです。

ビジネスでの「ジュガード」の応用で今や世界中で注目されているのが、タタモーターズの「タタ・ナノ」という、インドの一般の人でも手が届く安価な車(25万円程度)です。アルミニウム製のエンジンを開発し鉄鋼使用量を減らしたり、車輪を車体の端に移す事でスペースを増やしたりと、無駄を減らし、発想の転換により驚異の価格を実現させた車です。

ただ、この「ジュガード」が「なんとかなるさ」と結びつくと、 インド人スタッフに頼んでいた仕事が、期限になってもできない。確認しても「問題ない、今日必ずするから」と返答するが、いつまで待っても完成しない。また確認するも同じ返答の繰り返し・・・。 悪気がある訳ではなく、なんでもその場しのぎで済ましてしまう、「ジュガード」の精神が日常的に悪い方に現れた例だそうです。この話は、午後にお邪魔したアイカラミネーツインディアでもお聴きした内容でした。

5日は、ブラザー等のマシニングセンターをメンテナンス付きで取り扱うYAMAZEN様にお邪魔しました。日本人駐在員は20歳代から30歳代3名で、現地スタッフは50名というローカル指向型の商社です。日本人1人あたり3,000万円の経費がかかるとのこと。よって、利益として最低9,000万円を計上しないと黒字化しない中で、利益を確保されておられる会社です。日本人駐在員の1名が、来年はインドの南側に転勤となっため、来年の研究会はインドの南側を訪問予定としているので日系企業のご紹介等をお願いをさせていただきました。

実際にインドの北側デリーを中心にみただけで、インドそのものを理解することは困難です。

ですが、実際に見てみると、若者の多さに圧倒されます。平均年齢は、25歳(日本は45歳)で未来を感じるオーラがあります。5年後、10年後には間違いなく世界をリードする国になっていると実感しました。そのためにも「教育」にどんどん投資していく大人達の頑張りが当面の原動力になっていく気がしました。顔の前で手を合わせる合掌仕草がとても好感的でした。来年もぜひ訪れてみたいと強く思いました。

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