特別措置法の第二種計画認定申請方法
平成25年4月1日施行の労働契約法の改正により、同一の使用者との間で有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときに、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換するルール(無期転換ルール)が導入されています。そのため、今年度末(平成30年3月31日)を持って多くの契約社員の通算契約期間が5年を迎え、無期転換申込権が発生することが予想されます。
今年度末も近づいたため、再度、無期転換申込権が発生しない、有期雇用特別措置法(専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法)の話です。
その概略は、
一.高度な専門的知識等を有する有期雇用労働者
二.定年後引き続き雇用される有期雇用労働者
が、その能力を有効に発揮できるよう、事業主がその特性に応じた適切な雇用管理を実施する場合に、手続きを経て一定の期間については、無期転換申込権が発生しないこととする特例です。該当することが多く重要なのが二.の第二種です。
以前のご紹介した話を踏まえて今回は申請方法をご紹介します。
特例に該当するには添付書類とともに「第二種計画認定申請書を作成」し、本店の所在地の「労働局長の認定」を受けなければなりません。36協定のように事業所単位で出す必要はありません。
認定申請書には
1・申請事業主の記載
2・特性に応じた雇用管理に関する措置の内容
3・その他(高年齢雇用確保措置についての記入)
欄があります。
2の雇用管理に関する措置とは次の8つの雇用管理措置の中から最低一つ以上講じなければならない措置です。講じた措置にチェックをし、措置を講じたことを証明する就業規則や雇用契約書などの資料(1つ目の雇用推進者の選任は推進者の記名がある雇用状況報告書のコピーや雇用推進者選任届等)を添付します。
(1)高年齢者雇用推進者の選任
(2)職業訓練の実施
(3)作業施設・方法の改善
(4)健康管理、安全衛生の配慮
(5)職域の拡大
(6)職業能力を評価する仕組み、資格制度、専門職制度等の整備
(7)職務等の要素を重視する賃金制度の整備
(8)勤務時間制度の弾力化
申請書に記入する3のその他は、高年齢者雇用確保措置(定年の引き上げや継続雇用制度の導入)を講じたことの確認になります。該当する措置にチェックをし、その確認資料として、監督署へ届出済み(受付印のあるもの)の就業規則及び継続雇用制度の更新基準を設けている場合には平成25年3月31日までに締結した労使協定のコピーを添付します。申請の際にはそれぞれ2部作成し、労働局が返信できるよう、簡易書留分の切手と返信用封筒が必要です。
特例措置に該当する継続雇用の高齢者とは、同一の使用者に定年に達した後も引き続いて雇用される労働者を指します。したがって、下記のような労働者は特例の対象とはなりません。
・ 他社で定年退職し、その後雇用された労働者
・ 定年に達しない時点で無期雇用から有期雇用に転換した労働者
認定を受けた場合には、既に定年を迎えている社員も対象になります。ただし、労働者がすでに無期転換申込み権を行使している場合は、特例の対象となりません。そのため、申請手続きは早めにしておきましょう。