労働保険(労災・雇用)の対象者とは
2019年も早一ヶ月が過ぎ、平成も残り3ヶ月になりました。
弊社でもこの時期から労働保険の年度更新の準備を少しずつしていく時期になります。
今回のコラムでは、労働保険について書こうと思います。
保険料を納めてはいるけど、実際労働保険ってどういったものなのか、詳しくは知らないという方も多くいるかとおもいます。
労働保険とは大きく分けると、労災保険と雇用保険の総称になります。
では、どんな時に労災保険が使えて、どんな人が対象となるのか。
同じく、雇用保険もどんな人を加入手続きするのか、判断を迷うときがあります。
今回は、『どんな時』と『どんな人(対象者)』についてをメインにお話し致します。
まず労災保険は、労働者が仕事中や通勤中に怪我をしたり、病気や不幸にも死亡してしまった時などに必要な保険給付を行うことを目的とする国の保険事業になります。
では、ここで言う労働者とはどんな人を指すのでしょうか。労働者とは、フルタイム、日雇、パートタイム、アルバイトなど雇用形態に関わらず、労働の対償として賃金を受ける者のことです。
なので、代表権や業務執行兼を有する役員は、基本的には労災保険の対象となりません。
次に雇用保険になりますが、雇用保険とは失業したときや育休中、介護、年齢による賃金の低下などにより、勤め続けることが困難な時に必要な給付を行います。
多くは、失業した場合に、ハローワークで失業給付を受ける時に使うケースが多いかと思います。
では、雇用保険はどんな人が対象となるのでしょう。雇用保険の対象かどうか判断するときは、まずはその労働者の労働時間で判断します。
週に20時間以上働く方は対象となります。もう一つは、31日以上雇用する見込みがある方です。この2つの要件を満たした労働者が雇用保険の加入対象者になります。
なので、会社の代表取締役や取締役などは雇用保険の被保険者にはなりません。取締役であっても、同時に部長や工場長など従業員としての立場を有する者は、雇用関係など認められれば被保険者となります。
労災保険と違い、雇用保険は加入手続きをハローワークで一人一人行う必要がありますので、手続き漏れなどにご注意下さい。
ここで、判断が迷うのが事業主の親族の方などです。
その場合には、まず同居かどうかで区別して下さい。同居の親族は、事業主と住所及び生計同一なので、労災と雇用保険の対象とはなりません。
しかし、同居の親族でも以下の要件を満たせば対象となりえます。
1,事業主の指揮命令に従っていること。
2,仕事内容が他の一般の労働者と同じような仕事であること。
具体的には、給与の計算方法や期間、労働時間、休日、仕事内容など労働条件が特別でなければ対象と判断する必要もあります。
労働保険料の金額にも関わってくることですので、いざ怪我をしたときや、失業時に慌てることがないようにしっかりと対象者の餞別の判断をしていく必要があります。