振替休日と代休の違い
10連休が終わり、今日から出社という方も多いのではないでしょうか。令和への元号の改元とともに自分自身も新たな気持ちで日々の業務に取り組んでいきたいなと感じています。
さてこの「休日」についてですが、労働契約上あらかじめ定められている労働者が労働義務を負わない日とされているため、当然に休むことができる日となっています。多くの企業では土日が休日となっていることが多いと思います。
ではその「休日」に出勤があった場合、代わりに取る「休日」を「代休」とまとめて言うことがありますが、法律上は「振替休日」と「代休」があります。意味が取り違えられることありますが、扱い方が全く異なるものになります。
◆「振替休日」=「休日」を事前に「労働日」に変更し、その代わりに他の「労働日」を「休日」にすること。
事前予告されているかどうかがポイントとなります。つまり、あらかじめ「休日」と「労働日」を交換しておくのが「振替休日」です。こちらの場合、法定休日に出勤したとしても、その日は既に労働日に振り替えられているため休日出勤にはなりません。ですので35%以上の割増賃金の対象とはなりません。
例えば、会社の休日である日曜日を、同じ週の水曜日と交換するようなケースでは、休日を繰り下げるだけでなく、前の週の木曜日に繰り上げて振り替えることも可能です。1週間の起算日は特に定めがない場合は日曜日となります。これにより振り替えられた日が休日となるため、所定休日であっても法定休日であっても週の法定労働時間を超えない限り、割増賃金は発生しません。
ただし、週をまたいで休日を振り替える時は、週の法定労働時間を超えた場合に割増賃金の支払いが発生しますので注意が必要です。振替休日を利用するには、まず就業規則等で振替が規程されていること、そしてあらかじめ休日と振り替える日を具体的に特定しておく必要があります。遅くとも前日の勤務終了時刻までには当該労働者に通知しましょう。さらに休日を振り替える場合には4週間を通じて4日以上の休日が与えられるようにしなくてはなりません。
- 「代休」 =休日労働が行われた後に、その代わりとして他の「労働日」を「休日」に すること。
事前に「休日」と「労働日」が交換されているわけではないので、この日は「休日労働」になります。代休の場合はいくら後で休みをとっても休日労働という事実が先行してしまいますので、法定休日の場合は35%、法定外休日の場合は25%の割増料金が必要とされます。
「振替休日」、「代休」のそれぞれの違いを理解し、ただしく割増賃金を支払うことが大切です。