有給5日の時季指定付与 罰則と規程例は
働き方改革が施行されてこの4月1日以降について「年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して年5日の年次有給休暇の確実な取得」が事業主に課せられています。年次有給休暇は、心身のリフレッシュを目的として、原則、労働者が事前に請求した場合に労働の義務がある日に与えることとされています。しかし、管理監督者を始めとし、日本人の真面目な性格ゆえか、取得率の低調が課題となっています。過重労働対策としてこの義務が課せられたものです。
施行されて2ヵ月ほど経過しますが、有給なんて与えたら事業ができなくなるという本音も聞こえてきます。人材不足の中、さらに有給の取得により業務が滞ってしまう、または人件費が増大してしまうことは事業主にとって深刻な問題です。
乗り越えるには自社内だけでなく、協力会社や顧客会社との意思疎通や連携も重要になります。実際に先のGW10日の連休については、顧客の会社が融通してくれたという話も聞きました。休みやすい社会風潮が浸透していけば改善の余地もみえてくるのかもしれません。従業員がリフレッシュ出来れば社内の業務効率が上昇するかもしれません。例えすべての従業員の5日取得クリアが難しくても1日でも取得させて、社内風土を変換させていく時季が到来したのではないかと存じます。
◆罰則
年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合、30万円以下の罰金が科されます。
◆有給時季指定にかかる就業規則文言例(厚生労働省記載例より)
1~4項省略*厚生労働省モデル就業規則を参照
5.第1項又は第2項の年次有給休暇が10日以上与えられた労働者に対しては、第3項の規定にかかわらず、付与日から1年以内に、当該労働者の有する年次有給休暇日数のうち5日について、会社が労働者の意見を聴取し、その意見を尊重した上で、あらかじめ時季を指定して取得させる。ただし、労働者が第3項又は第4項の規定による年次有給休暇を取得した場合においては、当該取得した日数分を5日から控除するものとする。
◆厚生労働省の発行した有給に係る分かりやすいリーフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf