令和に想う
新元号が発表されてから1か月が過ぎました。
当初は、正直、「命令」の令のイメージがあり、” 戒厳令的 ” マイナスの感じを受けていました。
それが、「令和」発表時の墨書を揮毫(きごう)した茂住菁邨(もずみせいそん)さんと新元号の「考案者」である中西進さんの記事を読んで、イメージがかわりました。
茂住さんは、大東文化大学経済学部に学び、部員が300人を超す書道部に入り、在学中、青山杉雨氏に入門され、書道部長に選ばれ、内閣府の辞令専門職に就職されました。
月平均1000枚を数える辞令類を同僚1~2人とこなすそうです。長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督らの国民栄誉賞賞状なども担当したとのことです。
「令和」では、「令」を「ハネではなく、筆を上げて止める青山先生に学んだ筆法」で独特な書きぶりを披露されました。何度観ても、” 美しい ” です。
中西進さんは、大阪女子大学名誉教授で、「令」を「うるわしい」と読んだうえで、「令(うるわ)しく平和を築いていこうという合言葉だ」と述べられました。
初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香
初春の令月にして、気淑(よ)く風和ぎ、 梅は鏡前の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫す
「万葉集」巻五、大宰府での梅花の宴の歌32首の序文からの採用とのこと。
さらに、中西さんは、「歴史は700年単位で見ることができると思っています。古代は『情』の時代、中世以降は『智』の時代、近代は『意志』の時代」
「人工知能(AI)の時代には、そうした『生きる意志』がますます重要になるでしょう。さらに言えば『悟る』ということはたぶんAIにはできません」と述べておられます。
人として、「令和」の時代に何を『悟る』のか。
自分自身、不如意のときの見事な生き方ができるように、この『悟る』を『生きる意志』に繋げていきたいと思います。