60歳以降の年金支給開始および年金調整の仕組みについて
2019/11/29
今回のコラムでは年金に関して、①支給開始年齢(老齢による)、② 支給額が調整される在職老齢年金の仕組み、以上2点についての記事となります。
①年金の支給開始年齢(老齢による)
年金が受け取れる基本的な年齢ですが、これは生年月日によって支給開始年齢が異なります。
生年月日が昭和36年4月2日以後の男性は65歳から、昭和41年4月2日以後の女性は65歳から年金の支給開始年齢になります。
これより前の生年月日の人は、生年月日に応じて支給開始年齢が61歳~64歳になります。
これは前までは60歳で開始していたのを、段階的に年齢の引き上げを今現在も行っておりことが関係してきます。
年金には受給開始年齢を早める繰上げ受給や、受給開始を遅らせる繰下げ受給の制度もあります。年金額は早めた分減額されたり、遅くした分増額されたりもします。
②支給額が調整される在職老齢年金の仕組み
働くなどして一定の収入がある場合には、年金額が調整される仕組みが年金にはあります。
これを在職老齢年金と言います。
ここで注意するのが、60歳~64歳と65歳以上で調整される仕組みが異なります。
ア)60歳~64歳の場合
60歳~64歳では、年金月額と賃金(総報酬月額相当額)の合計が28万円以下であれば、年金は全額支給されます。
28円を超えてくるといくつかの計算式にもとづき、年金額が調整されます。
計算式については、以下のURLにございます。
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/zaishoku/20150401-02.html
*総報酬月額相当額とは・・・その月の給与(標準報酬月額)、その月以前の1年間に受けた賞与(標準賞与額)の総額の12分の1の合計。
イ)65歳以上の場合
こちらも60歳~64歳の仕組みと似ており、65歳以上では年金月額と賃金(総報酬月額相当額)の合計が47万円以下であれば、年金は全額支給されます。
47万円を超えると年金額が調整されます。
ここでポイントとなるのは、調整されるのは厚生年金部分であり、老齢基礎年金は全額受けられます。
支給停止額の計算式は以下の通りです。
(年金月額 + 総報酬月額相当額 - 47万円)×2分の1
例1)年金月額10万円、総報酬月額相当額が40万円の場合には、
(10 + 40 - 47)× 2分の1 = 1.5万円(減額される額)
例2)年金月額10万円、総報酬月額相当額が50万円の場合には、
(10 + 50 - 47)× 2分の1 = 6.5万円(減額される額)
年金の支給開始年齢や、調整される仕組みを理解するだけでも将来の人生プランを考える役に立つと思います。