新型コロナウイルス感染症等の影響に対応した失業保険給付日数の延長について
総務省が発表した5月の労働力調査によると、完全失業者は198万人となり、前年の同月と比較して33万人もの増加となりました。新型コロナウイルスの感染拡大で非正規社員の雇い止めなどが広がったことが要因であると思われます。
政府は令和2年6月12日に雇用保険特例法を成立し、新型コロナウイルス感染症の影響によって求職活動が長期化することに対応し、雇用保険の基本手当(失業手当)の受給者について、給付日数を延長する特例が設けられました。
1・対象となる人
法の施行日の令和2年6月12日以後に基本手当の所定給付日数を受け終わる方が対象となります。
さらに、離職日によって、次のように区別されています。
(1)離職日が令和2年4月7日(緊急事態宣言発令以前)の人
→対象者は、離職理由を問わず、全受給者が延長給付の対象になります。
(2)離職日が令和2年4月8日〜令和2年5月25日(緊急事態宣言発令期間中)の人
→対象者は、特定受給資格者(※1)及び特定理由離職者(※2)
(3)離職日が令和2年5月26日以降の人(緊急事態宣言全国解除後)
→新型コロナウイルス感染症の影響により離職を余儀なくされた特定受給資格者(※1)及び特定理由離職者(※2)(雇止めの場合に限る)
※1 特定受給資格者 倒産・解雇等の理由により離職を余儀なくされた者
※2 特定理由離職者 ①期間の定めのある労働契約が、更新を希望したにもかかわらず更新されなかったことにより離職した者 ②転居・婚姻等による自己都合離職者)
ただし、就職困難者の方はもともと所定給付日数が長いため、対象とはなりません。
2・延長される日数は60日です(ただし、35歳以上45歳未満の方で所定給付日数270日の方と45歳以上60歳未満の方で所定給付日数330日の方は30日の延長になります)
3・対象とならない場合
この特例延長給付は、積極的に求職活動を行っている人が対象となるため、次の①~④のいずれかに該当する場合は、対象となりません。
(1)所定の求職活動がないことで失業認定日に不認定処分を受けたことがある場合
(2)やむを得ない理由がなく、失業認定日に来所しなかったことにより不認定処分を受けたことがある場合
(3)雇用失業情勢や労働市場の状況などから、現実的ではない求職条件に固執される方等
(4)正当な理由なく、公共職業安定所の紹介する職業に就くこと、指示された公共職業訓練を受けること、再就職を促進するために必要な職業指導を拒んだことがある場合
この特例延長給付の対象となる方は、認定日にハローワークで延長の処理が行われるため、別途申請等の手続きは不要です。