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自我状態

   

人生のシナリオ(脚本)に触れる前に、今回は、「自我状態」についてご紹介したいと思います。

アメリカの精神科医エリック・バーン(1910~1970)は、自分の患者が時々別人のように変わることに興味を持ち、表情・態度・言語といった観察可能なデータを考察して「自我状態」という発想に到達しました。人間は、刺激をうけると自分自身の思考と感情を働かせて行動に移します。その基になっている心の状態を「自我状態」と名付けました。「自我状態」は、一つではなく、三つの、まるで別人のような状態に刻々と変化することに気づいたのです。

①「親」の自我状態・・・・・子どもの頃経験した、親や養育者の思考・感情・行動のバターンをそのまま取り入れた状態。(過去からの影響)※「P」と表現

②「成人」の自我状態・・・・” 今、ここ ” での問題解決に、自分の持つあらゆる資源を使って、反応をしている状態。(現在からの影響)※「A」と表現

③「子ども」の自我状態・・・子どもの頃経験した、思考・感情・行動を再現している状態。(過去からの影響)※「C」と表現

自我状態 P、A、Cは三つの円を積み上げた図で表します。それぞれの自我状態は瞬時に移動できるので、P、A、Cはそれぞれ「接した」形で書きます。Pが一番上、Aが真ん中、Cが一番下です。AはPとCの仲介的役割を担います。心のコントロールタワーです。

☆「P=親」の自我状態には、二つの機能があります。

支配的な親=CP(社会的な規範・ルールを守り、世の中の秩序を維持していくために働く機能です。)

養育的な親=NP(相手を保護し、思いやる機能です。)

☆「A=成人」の自我状態には、周囲の状況を観察し、” 今、ここ ” で最も適切な判断をする機能があります。

☆「C=子ども」の自我状態には、二つの機能があります。

自由な子ども=FC(子ども本来の生き生きと生命力にあふれ、創造性豊かな機能です。)

順応した子供=AC(自分の存在が養育者に受け入れられるよう、養育者の意向に合わせる機能です。)

※文献には反抗する子ども=RCを三つ目の機能とするものもありますが、今回はACに含めます。

上記の五つの機能(CP、NP、A、FC、AC)が肯定的に働く場合と否定的に働く場合で「行動」が変わってきます。

それを分析するのが、「エゴグラム」とよばれるものです。次回はその「エゴグラム」をご紹介したいと思います。

 

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