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やりとり分析

      2020/12/06

やりとり分析は、交流分析の中でもコミュニケーションにつながる重要な分析です。

やりとりには、三つあります。

一 相補(そうほ)交流 二 交差(こうさ)交流 三 裏面(りめん)交流 です。

ある日の子と母の会話でそれぞれ見ていきます。

子:「今、何時?」 母:「3時よ!」→期待通りの反応が返ってくるやりとりが相補交流

子:「今、何時?」 母:「時計の見方はもう教えたでしょう!」→思いがけない反応があったやりとりが交差交流

子:「今、何時?」 母:「おやつにしょうか!」→表面上の話題のやりとりとは異なった、心理面で行われるのが裏面交流

相補交流のプラス面は、刺激する側の期待通りの反応が返ってくるので、お互いに共感し、気持ちよく相手に受け入れられている満足感があり、会話が続きます。

相補交流のマイナス面は、会話の中断が難しく、時間の無駄遣いになることがあります。

その点、交差交流は、嫌な交流を断ち切るために有効な方法です。反面、良好なやりとりを阻害します。

そこで、いったん相補交流で受けてから、その後、交差交流で自分の意見や希望を伝えると受け入れやすくなります。

たとえば、上司と部下の会話

上司:「先日のプレゼンテーション良かったよ」 部下:「・・・・・2分オーバーしてしまいました」→ 上司の心理(せっかく誉めているのになんだよ)

上司:「先日のプレゼンテーション良かったよ」 部下:「ありがとうございます。うれしいです」「ただ、2分オーバーしてしまいました」→上司の心理(向上心のある部下だな)

三つ目の裏面交流は、社交レベル(表面)の言葉で発信されているメッセージとは別の、心理レベル(裏面)に本心のメッセージが隠されている交流です。

裏面交流には、二つのタイプの交流があります。

まず、一つは、裏面の刺激に反応した交流です。それが、上述の子と母の会話です。

子:「今、何時?」(おやつが欲しいな) 母:「おやつにしょうか!」

もう一つが、「二重裏面交流」です。たとえば、上司と部下、兄と弟の会話

上司:「もうすぐ6時だぞ」(まだ、資料できないのか!) 部下:「はい、6時ですね」(そんなに急がせないでくださいよ)

兄:「ここにあったグローブ知らないか」(また勝手に使っただろう!) 弟:「知らないよ」(人のせいにするの、やめてよ)

このように、裏面交流は、相手が裏面に相補しない反応をした場合は、気の利かない人とか空気の読めない人だと勝手に敬遠されてしまう危険もはらんでいます。

「目は口ほどのものを言う」のように、人は発せられた言語よりも、非言語(表情・声の調子・態度)で本音を伝えています。本音の気持ちに応えたやりとりがとても難しいのです。

そのため、話すときには、裏面はできるだけ使わず、素直に話した方が心地よい会話につながると思います。

前回の自我状態で自分を知り、他人を理解し、今回のやりとり分析でよりよいコミュニケーションを築く。役立たせたい対応です。

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