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■業務上の災害について

      2016/02/21

こんにちは 夏バテは大丈夫ですか?お盆も過ぎれば多少は暑さも和らぐことかと思います。それまでは電気の力も借りながら、暑さ対策十分にしましょうね。
これだけ暑いと熱中症による労災の相談も増えています。熱中症も業務との因果関係があれば労災に認定されますからね。今日は労災についてご相談が多い内容をお話いたします。

ご存じのとおり、労災に認定されるには“業務遂行性”と“業務起因性”が認められることが必要となります。
業務遂行性・・・労働者が労働関係のもと事業主の指揮命令に従って労働していること
業務起因性・・・一般に労働契約に基づき事業主の支配下にあることに伴う危険が現実化したもの

先に挙げた熱中症では例えば、気温の高い昼中にテニスをしていて、夕方から出勤をした後、クーラーの効いた部屋の中で気分が悪くなり熱中症と診断されたのであれば、業務中に気分が悪くなり始めたとしても業務起因性が認められないため労災と認定はされません。熱中症の認定要件は以下のようになります。
◆熱中症の一般的な認定要件
1・その発生状態を時間的、場所的に明確にし得る原因が存在すること
2・災害発生後発病までの時間的間隔等から災害と疾病との間に因果関係が認められること
3・他の原因により発病したものではないこと
です。その他医学的要件により、認定されます。

熱中症と同様に労災か診断に迷うものとして腰痛があります。業務と因果関係があり、労災と認定される腰痛には実際に転倒や転落などに伴って発症する「災害性の腰痛」と日々の業務により腰部への負荷が徐々に作用して発症する「非災害性の腰痛」があります。これらにはそれぞれについて認定基準が示されています。(昭50・10・16 基発第750号、昭53・3・30 基発第187号)
◆災害性の腰痛
1・腰の負傷またはその負傷の原因となった急激な力の作用が、仕事中の突発的な出来事によって生じたこと
2・腰に作用した力が腰痛を発症させ、または腰痛の既往症・基礎疾患を著しく悪化させたと医学的に認められること
◆非災害性の腰痛
1・筋肉等の疲労を原因とした腰痛(3ヵ月程度毎日数時間、腰にとって極めて不自然な姿勢を保持して行う業務を行った等)
2・骨の変化を原因とした業務(10年間重量物を労働時間の半分以上に及んで取り扱う業務に従事したことにより骨が変化等)

これらからすると例えばデスクワークをしていて腰を痛めたということではその因果関係を証明するのはなかなか難しいかもしれないですね。

たくさんの給付請求書を書いてきましたが、労災の中には悲惨なものも多いです。労使双方で業務における危険を排除し、いつまでも健康な体と心で働きたいですね。

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