変わるための契約
交流分析をご紹介してきましたが、今回で最終となります。
取り上げるのは、「契約」です。エリック・バーンは、「契約とは、明確に定義された一連の行為についての、十分にはっきりと表現された双務的約束である」と述べています。
シュタイナーは契約を結ぶために必要な4つの条件を上げており、他の研究者や治療家も実践しています。一般的なビジネス契約にも活用できると思います。
それは、
1. 相互の同意→専門家とクライエント(受講者)は両者間の話し合いによって契約し、契約内容を遂行、達成する。
2. 正当な対価→時間あるいは労働に対する金銭的、あるいは何らかの報酬についての合意が必要。
3. 能力→専門家は特定の専門技能を持ち、クライエント(受講者)も自我状態Aが十分機能する身体的心理的状態であり、お互いが共同作業によってクライエント(受講者)の目標を達成する能力を持っている。
4. 合法的な目標→契約した目標と条件は合法的であり、所属する団体の倫理綱領に従う。
次に交流分析での目標・ゴールとなる「自律性の確立のために自分自身と契約する」ことになります。
それには、次の5つの質問から、自分自身がどこをどう変えたいのかを決定して、自分自身と変わる契約を結んで実行することになります。
その質問とは、
1. 「自分や人生の仕事の質をよりよいものにするために、私が望んでいるものは何だろう」
2. 「私が自分の望むものを手に入れるためには、変える必要があるのは何だろう?」
3. 「変容が起きるために、私がすることをいとわない(行動することをためらわない)のは何だろう?」
4. 「自分が成功したことをどうやって知るだろう?そして他人にはそれはどう映るだろう?」
5. 「どんなふうにサボったり、自分の値引きをすれば、自分自身の目標を達成しない結果になるだろう?」
これを私は以下のように考えてみました。
1. 自分自身が大切なように自分自身以外も大切である。人は起きてから寝るまで自分自身と向き合うのと同様に自分自身以外とも向き合うことが必要である。
2. 自分自身以外を大切に思う思考・行動をする。相手の立場に立って考える。相手の考えを聴く。
3. 記憶にのこる生き方がしたいという願望。
4. 本音の仲間ができる。仲間としての受入れがなされる。死んでから惜しまれる。
5. 自分だけの事を考える・優先する。自分以外の人の意見を面倒臭がる。
交流分析では、「過去と他人は変えられない」といいます。一生を通じて、時間をどう使うのか、その量と質を考えることができます。
自分の人生は自分自身が主役です。これからも交流分析を学びながら、自律的な人生を歩んでいきたいと強く思います。