テレワーク導入後、メリットと今後の課題
2021/11/15
昨今の感染症蔓延の事情から、テレワークを実施している企業が多くなりました。弊社では9月から月に数回、実施しており、家にいながら会社にいるのと同じように仕事ができる「リモートアクセス」を導入しています。
「リモートアクセス」は、「手元のPCを使って、離れた場所に置いてあるPCにネットワーク接続をすることが可能な環境」のことを言います。リモートアクセスにはいろいろな方法があり、専用のアプリを会社のPCと自宅PCにインストールしてPC同士をつなぐタイプや、接続用のUSBを自宅PCに挿して会社のPCとつなぐタイプなど、様々です。
セキュリティ対策の面から、「会社の情報を自宅PCにダウンロードできてしまうのではないか?」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、リモートアクセスでできることは、会社のファイルを会社のPCに保存するような「遠隔操作」のみであり、画面をカメラで撮るなど物理的なことを除いて、会社のファイルを手元のPCに保存するといったことは、システム的に不可能です。
リモートアクセスの強みは、なんといっても「会社にいるのと同じようにPC操作ができる」ことです。現在は、多数の業務用連携ソフトがあるため、クラウドを利用すればファイルやスケジュール表の共有は簡単に始めることができますが、新しいIT技術を導入するとなると、それが定着するまでには時間がかかります。PC操作に対し苦手意識がある人も、少なくないでしょう。慣れた環境をそのまま自宅で使用できるのは最大のメリットです。
また、リモートで利用するPCにはデータが残りませんので、大切な情報が盗まれることはありません。セキュリティ被害は、ハッカーやウイルス感染よりも、盗難や電車等への置き忘れなどが原因によるものの方が多いようです。万が一、リモート用PCを紛失、盗難被害に遭った場合の漏えいリスクも回避することができます。
以下、「リモートアクセス」を利用したテレワークで感じたメリットと今後の課題についてご紹介します。
メリット
- 最大のメリットは、通勤時にウイルス感染症に罹患するリスクが下がり、安心して仕事ができることにあると感じます。また、通勤による疲労もありません。
- テレワークに向いている業務、優先順位等をはっきりさせることで、1週間の仕事の配分を考えて、より計画的に仕事ができます。特に定型の事務業務は集中してできるので、出社時と比べても業務効率は同等以上に感じられます。
- お昼の休憩時間に、家族と昼食が取れるなど、休憩が充実します。一緒にいる時間が増えたことで、家族には好評でした。
- 会社のPCに無い資料は当然ながら扱うことができないため、業務のデジタル化、ペーパーレス化が加速します。役所への申請、届出において押印廃止となったこともテレワークの導入を後押ししていると言えるでしょう。
今後の課題
- リモートアクセスする遠隔操作側のPC画面が小さい場合、業務内容によっては作業効率が落ちると考えられます。モニターを連結したり大きな画面に接続することが可能であれば改善されることでしょう。
- 一部のソフトで文字化けの現象と、キーボードに入力する際、一部の記号で誤変換のトラブルが発生しました。
- 一人で黙々と作業するので、寂しく感じます。テレワーク中も他の社員と積極的にコミュケーションが取れると良いと思います。
- 会社から目の届かない中での業務なので、漫然と仕事をしないように緊張感を保てる仕組みや事前の準備が必要かもしれません。例として、「業務中にWEBで顔を見ながら会話をする」「服を着替える」「椅子やテーブルなど集中できる作業環境を作る」「疲れたら定期的にストレッチや軽い体操を行う」など・・・
担当業務や、自宅に仕事をするスペースを確保できないなど、環境の変化によってテレワークの実施が難しい場合もあり、テレワークを利用する社員の偏りから、不公平感を感じるといった問題も考えられます。お互いの仕事量に差が出ないように定期的に意見や情報交換をする必要があると感じます。
テレワークは、コロナ禍会社のデジタル化の促進、ワークライフバランス、緊急時の事業継続性の向上など、会社と従業員双方にメリットがあると感じます。だからこそ、今後も課題を少しずつ解消し、前向きに取り組んでいきたいと考えています。