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公的年金シミュレーション

      2022/06/20

令和2年の通常国会において、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」(令和2年改正年金法)が成立しました。この法律は、より多くの人がより長く多様な形で働く社会へと変化する中で、長期化する高齢期の経済基盤の充実を図るため、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大、在職中の年金受給の在り方の見直し、受給開始時期の選択肢の拡大などを行うものです。

令和4年4月以降、この法律による年金制度の改正が順次施行されている中で、これらの内容は個人の年金受給の選択肢を拡大する内容であるため、分かりやすい形で周知徹底することが重要とされます。

具体的には、この改正によって、以下のような場合に年金受給額の変化を簡単にイメージできる必要があります。

・短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大によって、これまで国民年金第1号被保険者や扶養の範囲内で働いていた方が、厚生年金に加入する場合

・受給開始時期について、変更する場合

また従来より、公的年金・私的年金を通じて、個々人の現在の状況と働き方・暮らし方の変化に伴う将来の見通しを全体として「見える化」し、老後の生活設計をより具体的にイメージできるようにするための仕組みを検討すべきとの指摘がありました。

このため、①令和2年改正年金法を分かりやすく周知すること、②働き方・暮らし方の変化に伴う年金額の変化を「見える化」することを目的として、年金簡易試算Web(仮称)を開発する運びとなり、試験運用が開始しました。

シミュレーションの方法としては、①ねんきん定期便を利用する方法と②ねんきん定期便を利用せずシミュレーションする方法と2種類があります。

・ねんきん定期便を利用する場合

  • 郵送されてくるねんきん定期便の二次元コードを読み込む
  • 生年月日を入力し、「試算する」をクリック
  • 現在の年収・勤務状況が60歳まで続いたと仮定した場合の見込み額が表示される為、その仮定の変更点を調整する

・ねんきん定期便を利用しない場合

  • 生年月日を入力し、「試算する」をクリック
  • 過去の年金加入状況を入力(何歳の時にどのような働き方をしていたか、厚生年金に加入していた場合は年収がいくらだったのか)
  • 就労完了年齢、受給開始年齢を入力

それぞれの方法を試してみたところ、ねんきん定期便が無いシミュレーションは、記憶を辿って過去の働き方をそれぞれ入力していくのに時間がかかりました。ねんきん定期便の二次元コードを読み取ってのシミュレーションは生年月日の入力だけなので、瞬時に最新の情報を得られるのでお勧めです。

現段階ではまだ試験運転中ではありますが、令和4年ですと満71歳の方まで試算が出来ます。年金を既に受給している世代の方はもちろん、若い世代の方もまだまだ先のこととせず、自分の年金を身近に感じて頂くツールのひとつにして頂けたらと思います。

厚生労働省:公的年金シミュレーター使い方ガイド

https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/000932985.pdf

厚生労働省:公的年金シミュレーター(試験運用中)

https://nenkin-shisan.mhlw.go.jp/

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