労務相談、管理者研修、未払い残業代請求対策なら労務管理センター

選択的週休3日制

   

週休3日制には、3つのパターンがあります。
その1⇒休日は増やすけれども、出勤日の労働時間を増やすことで総労働時間は変わらない、給与も変えない
その2⇒総労働時間を減らし、それに伴って給与も一定の割合で減らす
その3⇒総労働時間を減らすけれども給与は変えない

その1は、1日10時間、1週40時間の1ヵ月単位の変形労働時間制を採用するパターンで、佐川急便、ファーストリテイリング、ウチヤマホールディングス、株式会社トットメイト、ファミリーマート、日立製作所等が導入しています。

その2は、日本IBMが選べる短時間勤務制を導入しています。具体的には、3日勤務、4日勤務、5日勤務(労働時間がフルタイムの6割)、5日勤務(フルタイムの8割)の4つのパターンがあり、勤務時間が通常の6割となる3日勤務と5日勤務の労働時間6割の場合は、フルタイムの給与の50%、通常の8割勤務となる4日勤務と5日勤務の労働時間8割の場合は70%となります。昇給や昇級も通常に比べれば小幅になるものの、あくまでも基本にあるのは成果主義で、最終的には挙げた成果の質で判断されるとのことです。また、塩野義製薬は管理職や新入社員を除く全社員の7割にあたる約4,000人を対象として、週休3日を選べば、1日の労働時間は変わらないかわりに給与水準は約2割減少する選択的週休3日制を導入しています。

その3は、ヤフーが2017年に「えらべる勤務制度」を導入しています。どちらかといえば女性からの申請が多く、育児参加に積極的な男性にも重宝されているとのこと。2020年からはコアタイムなしのフレックスタイム制も取り入れ、週休3日にしなくてもそれに近い働き方が可能になったとのこと。また、ゲーム会社のシグナルトークは、2017年6月5日から週休3日を実現する「CreatorsDay制度」を導入しています。具体的には、第1月曜日は会社が年次有給休暇を奨励し、第2~5月曜日は自由出勤日とし、出勤した場合は、休日手当や代休はないが最低出社時間もなく、休む場合は「特別休暇」とするものです。1日の所定労働時間も8時間のままで給与の変更もありません。さらに成果報酬型正社員を選択した場合は、13:00-18:00のコアタイム以外は自由に出勤、退勤が可能な勤務体系の導入もしています。

このように、「週休3日」を検討・導入する企業が増えてきています。
要因としては、
① 優秀な人材を確保するためには、今まで以上に柔軟な働き方を可能にしなければならないという危機感
② 育児介護を容易にして、既存社員の離職の抑制
③ 生産性やエンゲージメント(働きがい)の改善
④ 新しい知識や技術を付加する「学び加え」時間(リカレント教育時間)の付与

ただ、課題も見えてきています。
① 休日を増やすのであれば、年次有給休暇の完全消化が先
② 週休3日が出来る職場と出来ない職場のバランス
③ 自律的な働き方を可能とする労働時間や健康の管理
④ コミュニケーションが保てる場の維持(チームの視点)

これらを考慮しつつ、副業・兼業の解禁も視野に入れながら検討する必要があります。
弊社に導入するとしたら、バターンその1で次の時差勤務からの選択制(日々選択可能)として、副業兼業・リモート勤務は禁止方式を取ると思います。
① 7:00~18:00
② 8:00~19:00
③ 9:00~20:00

 

 

 

 -