健康経営優良法人2023の申請について
2022/09/23
今年も「健康経営優良法人2023」の認定申請が8月22日から始まっています。全国で健康経営の認定申請をする企業も年々増え続け、認定法人も昨年は中小規模法人部門で12,255法人と前年比154%という多さでした。(大規模法人部門:前年比127%)
健康経営とは、「従業員の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」とされています。健康経営推進の最高責任者が経営トップである割合も、2014年の開始時には5.3%だった割合が、7年後の2021年には、なんと77.2%にも増えているようです。生産年齢人口の減少への危機感が、経営層では年々高まっていると言えるのではないでしょうか。
申請方法は昨年と同様、申請様式であるExcelファイルをダウンロードして必要箇所を入力し、データをアップロードする、完全電子化申請となっていますが、昨年までとは大きく違う点は、認定申請料が必要になったことです。
大規模法人部門は88,000円(税込)、中小規模法人部門は16,500円(税込)を12月の期日までに振込することが必要です。もちろん、不認定となった場合でも、この認定申請料の返還はありません。
大きな理由としては、認定申請をする企業が多くなったことで、経済産業省だけでは制度が回らなくなったといったところでしょうか。民間企業が運営事務局を担うことで運営コストが発生するため、申請料金で賄うようですが、民間企業を巻き込むことでさらなる健康経営ブームに火をつけるという目的もあるようです。
認定申請料がかかることで、これまで以上に申請時の責任感も増しますが、早速よかった点は「ACTION!健康経営」という認定事務局ポータルサイトが準備されたことです。サイト内では、健康経営の推進についての経済産業省からの説明や、申請方法についての説明動画が誰でも見られるようになっています。昨年まではメルマガや雑誌掲載から外部セミナーを探して情報収集をするしかなかったところ、知りたい内容が提供されている、とても助かるサイトが開設されました。
民間企業が関わることで、今後ますます「健康経営」の広報活動も強まり、インセンティブ制度の拡大も期待されます。
さて、申請項目のクエスチョン(Q)、サブクエスチョン(SQ)の内容については、昨年までと大きく変わる点はありませんでした。ただ、回答の根拠となるエビデンス(証拠資料)が、今後は厳しく問われるのではないかという印象を受けました。審査の段階で、取組の説明ができる資料の提供を求められる可能性もあり、資料の保存期間は2年間ともされています。
確かに、数値目標が問われる設問での書き込み以外は、選択肢の中からいくつかの項目を選んでいく方式の設問が多いため、何の取組がこの選択に繋がったかを示すすべはありませんでした。
当社は、健康づくり担当者である私が作成した申請書を、代表の國井に確認をしてもらうのですが、何の取組を指して私が選択しているのかが伝わりづらいため、申請書のクエスチョン(Q)、サブクエスチョン(SQ)に沿った当社の取組内容書面を作って報告をしています。外部機関の審査であれば、なおさら何の取組なのかを確認することは、公平な審査の視点では自然な流れなのかもしれません。
当社も、情報コラムでの情報発信だけでなく、さらに外部への発信を強化するために、健康経営特設サイトの開設を検討し始めています。合言葉の「スモールチェンジ」を忘れずに、少しずつ進化していきます。
心理的安全性が保てる職場環境で、心身ともに健康に、より長く就労してもらえるよう、従業員一人一人への健康経営の周知は、今後ますます重要になっていきます。
◆ACTION!健康経営 https://www.kenko-keiei.jp/