年収の壁
2023/02/20
新聞にて、いわゆる年収の壁を見直す議論を政府にて行うとする記事を拝見しました。
理由は、社会保険料や税金がかからないよう調整しているパート労働者の時間給(最低賃金の上昇など)が近年上がっており、年間の勤務時間を減らすことが起こり、企業側が人手不足に苦慮しているためです。
特にパート・アルバイトを多く雇用している飲食業界や小売業で、対応に苦慮しているケースが多くあります。
会社員の配偶者の場合、年収が一定の基準を超えると税金や社会保険料がかかります。
年収の主な壁は大きく5つあります。(例:夫が一般的な会社員の場合)
■年収103万円
妻の所得税が発生する。(夫の勤務先で家族手当がなくなる場合もある)
■年収106万円
妻の社会保険料が発生する。(被保険者数100人を超える企業で働いている場合)
■年収130万円
健康保険の被扶養者や国民年金の第3号から外れ、妻の社会保険料が発生する。(夫の勤務先で家族手当がなくなる場合もある)
■年収150万円
夫の所得税上の配偶者(特別)控除の額が段階的に減る。
■年収201万円
夫の所得税上の配偶者(特別)控除がなくなる。
一部、夫の収入額が影響する場合もありますので、ご注意ください。
また、夫に家族手当の支給がされている場合、多くの企業で妻の収入額を支給要件にしています。
一定の収入を超えると家族手当を削られるケースもあるため、夫の勤務先にて家族手当の支給要件の確認を行ってください。
税金や社会保険料が発生し、手取り額への影響が大きいですが、もちろんメリットもあります。
≪社会保険加入のメリット≫
被保険者となり自身で社会保険料を支払うことにより、例えば健康保険からは私傷病で働けなくなり無収入になった場合に給与の代わりとして傷病手当金が支給されます。これは、被扶養者の方には支給されません。支給額は月額給与の約67%で、最長1年6ヶ月分支給されます。
また、厚生年金は国民年金の上乗せになるため、老後に受取る年金額が変わります。現在、20~60歳までの40年国民年金を納付した場合の支給額は約78万円になります。収入が高いほど保険料も高くなりますが、納めた保険料として記録されますので、老後の年金額も高くなります。