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WBCから学ぶ

      2023/04/03

今年のWBCは日本中を熱狂の渦と化しました。劇画を上回る実話となりました。WBCといえば、これまではイチロー選手の韓国戦でのセンター前ヒットが伝説でした。打撃、守備でも精彩を欠いた中でまわったきた打席でのファールで粘っての逆転二塁打でした。何度見ても震えました。日本チームの選手達の狂喜が感動を生み、イチロー選手の冷静さが際立って居ました。派手なガッツボーズもなく、普段と何も変わらない様子で塁上に立つイチロー選手に得体のしれない恐ろしさを感じました。

それが、今回は、あきらかに変わりました。大谷選手の意表を突くイタリア戦でのバントヒット、それが岡本選手のスリーランを呼びました。そして、なんといってもメキシコ戦での自ら帽子を投げ捨てての9回裏の二塁打。塁上で雄たけびを上げる姿はライオンキングそのものです。これ以上の仲間への鼓舞はありません。それに応えたのが、不振が続いた村上選手の逆転二塁打です。一塁代走の周東選手の走力もすごかったですが、栗山監督の采配が二重に光りました。そして、そして、アメリカ戦での3対2で迎えた9回裏でのツーアウトランナー無しでの2番打者トラウト選手との直接対決。そこで見せた最後のスライダーで三振に取った瞬間の帽子を投げ、グローブまで投げる大谷選手の振る舞いが、日本の子供たちの心に火をつけました。「大谷!かっちょええ!!」です。私の6歳と3歳の孫は帽子飛ばしの真似をすぐしてました。それほど子供たちの心を鷲掴みにしました。理屈ではなく、ただただカッコいいです。

栗山監督もダルビッシュ選手も、異口同音に「子供たちに夢を与えたい」と発言していました。これは、今回のアメリカチームに大リーガーの選手が多く参画した理由と同じだと思います。野球はサッカーやバスケット、アメリカンフットボール等に押され年々子供たちからの人気が減少していると思います。それに危機感を持った彼らが野球の楽しさを感じてもらうために、開幕前の大切な時期にあえて参加に踏み切った理由のような気がしてなりません。岡本選手の「野球ってこんなにも楽しかったんだ!」の野球少年のような言葉が、これだけの選手達ですら、いまさらのように野球の神髄に触れたことのあかしだと思います。

これを人事に活かせないものかと思います。喜怒哀楽の喜楽だけを意識して敢えて開示し、皆で成し遂げる仕組みを組織貢献の視点で作り上げる。それができたら、その組織は感動を生みます。感動には、人は損得を超えた連帯を作り上げます。その連鎖が継続発展する必要とされる会社を生み出す源泉となることをWBCは間違いなく教えてくれました。

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