職場における熱中症対策
6月に入り、日によっては30℃近い気温を観測する日もあり、暑い日が続いてきました。その時に気を付けたいのが熱中症です。
職場における熱中症死傷者数が発表され、2022年の職場における熱中症死傷者数は827人(うち、死亡者数30人)と、2021年と比較し死傷者数は約260人増え、死亡者数も10人増加の結果となりました。
月別の発生状況を見ると、やはり6月から件数が増加し、8月までの発生件数は全体の9割ほどあります。これからの時期に注意が必要です。
- 熱中症発生の現状
職場で熱中症になった人を職業別で見ると、建設業(屋外)が多く、製造業、運送業と続きます。
・建設業:1,571人
・製造業:1,311人
・運送業:940人
*2013年~2022年の累計値
発生時間帯は14時~15時台が最も多いですが、各時間台でそれほど差がないため、体調不慮の時は熱中症の疑いを捨てることがないよう注意が必要です。
・15時台:568人
・14時台:555人
・11時台:497人
*2018年~2022年の累計値
- 熱中症への対策と措置
一般的にこまめな水分補給(30分ごとにコップ1杯200ml程度が目安)が重要と言われていますが、塩分などの同時摂取も効果的と言われます。飲み物としては、スポーツドリンクや経口補水液など食塩相当量が100mlあたり、01~02g程度がベストと言われます。
熱中症対策を講じている中で、万が一熱中症により倒れた場合にも救急措置が必要になります。2022年の死亡者30人のうち、約25件が熱中症予防の教育が実施できていなかったことで、発生時の冷静な対処ができなかったとも言われています。公益財団法人日本スポーツ協会によると、119番への電話と同時に、全身に水をかける“急速冷却”が紹介されています。
労働基準監督署では毎年、多量の発汗を伴う作業場場所において、十分な水分・塩分を与えていない等で事業者を書類送検しています。杜撰な管理をし、悪質と判断されれば送検対象になることも頭に入れておきたいものです。
◆厚生労働省/働く人の今すぐ使える熱中症ガイド
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116133_00001.html