障害者雇用について
2023/07/31
民間企業に雇用されている障害者数は年々増加し、2021年6月現在では約59.8万人、実雇用率は2.20%となりました。また、障害者雇用率達成企業の割合は47%と、なっています。
今日は、2023年3月に障害者雇用促進法施行令が改正された箇所を中心に障害者雇用についてご案内いたします。
一般事業主の雇用義務
事業主は、常時雇用する労働者数(※1)に一定の雇用率(2.3%)を乗じた人数の障害者を雇い入れることが事業主に義務づけられています。常時雇用する労働者が43.5人以上の民間企業の場合、1人以上障害者を雇い入れる必要があります。
※1 1週間の所定労働時間が20時間以上で、1年を超えて雇用される見込みがある、または1年を超えて雇用されている労働者をいいます。このうち、1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の方は、短時間労働者となります。
雇用率の段階的な引き上げ
障害者雇用の増加に伴い、新たに雇用率は2024年4月から2.5%、2026年7月から2.7%と段階的に引き上げられることとなりました。なお、雇用率の引上げにより、2024年4月以降は常時雇用する労働者が40人以上、2026年7月以降は37.5人以上の民間企業に障害者を雇い入れる義務が生じます。
除外率の引き下げ
障害者が就業することが一般的に困難と認められる業種について、常時雇用する労働者から一定割合(除外率)の労働者数を控除することで、障害者の雇用義務を軽減する制度があります。この除外率について、省令の改正により、2025年4月1日以降、それぞれ10%引き下げられることになりました。
精神障害者の算定特例の延長
短時間労働者(週所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者)については1人を0.5人として実雇用率を算定することとされていますが、精神障害者である短時間労働者については、短時間労働者を1人としてカウントする特例が設けられており、この特例措置が当分の間延長されることになりました。
一部の週所定労働時間20時間未満の方の雇用率への算定
2024年4月以降、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の精神障害者、重度身体障害者及び重度知的障害者について、雇用率上、0.5カウントとして算定できるようになります。
障害者雇用調整金・障害者雇用納付金
常時100人を超える労働者を雇用する事業主が対象で、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が窓口になります。
法定雇用達成事業主:法定人数を超える人数 × 27,000円/月が支給されます。
法定雇用未達成事業主:法定人数を下回る人数 × 50,000円/月が徴収されます。
※常時雇用労働者数100人以下の規模は対象外です。なお、2024年4月1日以降、法定雇用達成した事業所において、超過人数が一定数を超える場合、超過人数分の単価の引き下げが予定されています。この引き下げ分で得られた財源を利用して、助成金の新設・拡充が予定されています。
参考資料:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/001064502.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/000767582.pdf