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あなたの「今推し」は何ですか?

   

熱意を持って応援している人物や愛好する物事を「推し」と表現する人が、いわゆるZ世代(現在概ね中学生~33歳の世代)を中心に増えているそうです。2020年『推し、燃ゆ』(宇佐美りん著)が芥川賞を受賞したことも、2021年の流行語大賞に「推し活」(自らの”推し”を応援する活動)がノミネートされた所以だといわれています。
私が参加している交流分析勉強会で仲間が「エモい」という言葉が、今では、感情的という意味の「emotional」が語源で、感動的、懐かしい、切ない、もの悲しいなどの感情で心が揺り動かされる様子を指しているんだと教えてくれました。私は、てっきり「気持ち悪い」と思っていました。そこから、別の仲間が「今推し」に近いんだよねと、またまた訳の分からない言葉を口にしました。それが今回取り上げた理由です。
そして、この「今推し」がタイパ(タイムパフォーマンス)と結びついているということを、産業カウンセラーの定期刊行誌で特集「タイパと時間の価値」を読んで知ることになります。

その部分をすこし紹介したいと思います。
博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所上席研究員の森永真弓氏によれば、「調査をした結果、今推しがいる人は若い世代では5割を超えていて、上の世代でも4割ぐらいはいる。若い世代の女性に限ると、調査によっては7~8割までいったりすることもあります。では、今推し活をしている、明らかに増えている層はどういう人たちなのかという話になります。あくまでも既存のオタク層とのイメージ比較論になりますが、推し対象への深堀り度がじつは浅く、ネットに流れてくる情報だけで十分推し活をしていると思っています。ある種マーケティングを素直に受け止める人たちであると言えます。この層とタイパが行動原理になっている人たちとは重なっています。人のおススメに振り回されやすいので、チェックしなければならないものが増えます。時間が足りなくなるので、” 倍速再生 ” するということになります。
例えば、大谷翔平選手なんかはタイパの行き着く先と言えるかもしれないんです。小さい頃からいろんは情報を自分で調べて、自分に合うトレーニングを探して、あそこまで行っています。最短距離を進んだと言えるかもしれません。大谷選手以外にも、スポーツ界や音楽の世界で、コーチや先生からの指導だけでなくYouTubeなど大量にある情報で自ら学び、タイパを上げまくって大きな成果を上げている若者たちがたくさん出てきています。やりたいことがあればあるほどより極め、高みに行ける環境になっているんです。逆にやりたいことがない人は、ものすごく焦らされる環境と言えます。そういう意味では、自分がやりたいことがないから振り回されるタイプなのか、そうではなく自分の好きがあって自分で強くなれるタイプなのか、自覚を持った方がいい時代なんだろうと思います。」

いかがですか。あなたの「今推し」は振り回されタイプですか、自分の好きがあって自分で強くなれるタイプですか、ちなみに2010年生まれ以降とされる小学校以下のα(アルファ)世代は、「タイパはスカスカでダサい」、消費ではなくクリエイティブな方向やモノづくりに興味が向いているようです。私の「今推し」は、キングダムと信長の野望・新生と藤原正彦(「国家の品格」著)です。

 

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