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会社の軸

      2023/10/23

プロ野球でセリーグの覇者は阪神タイガース、パリーグの覇者はオリックスバファローズです。この両チームには軸がはっきりしていました。阪神の岡田監督は、打者に対して、低めを捨てて、四球=フォアボールを選ぶことを徹底しました。結果、494四球はセリーグ最多、315与四球は最小、どちらも2位との差は40以上です。それも4番バッターである大山選手がセリーグトップの99四球です。これをみても、岡田監督の方針の徹底ぶりがわかります。オリックスの中嶋監督は、右打者に対して、センターから右方向へ、左打者に対して、センターから左方向へ、無理に引っ張らない方針を徹底しました。これを選手が理解して実行した結果がパリーグリーグ優勝三連覇です。そして、この両チームには共通点があります。投手の防御率トップが存在することです。阪神では村上選手が1.75、オリックスでは山本選手が1.21です。 防御率が1点台の投手とは9イニングあたり自責点を2点未満に抑えているということになります。そんな素晴らしい投手が両チームのエースなんです。ただ、こんな最高の投手でもチームが点数を取ってくれなければ勝てません。0対0では引き分けで勝利数にはカウントされません。打者への方針の徹底が意味あるものとなります。

この両チームは関西を本拠地とするチームです。つまり、お金に特に関心のある土地柄ですから、チームの方針に沿ったプレーをした場合には、「給与があがるぞ!」と監督から言われていたかもしれません。いくら活躍してもチームの方針に沿わないプレーには、「現状維持!」の冷徹さがあるような気がします。

今回取り上げた、「会社の軸」これこそ「評価」の本質です。評価には千差万別(せんさばんべつ)あります。それは、会社のカラー・考え方・価値観が反映されいるからです。ただ、軸が徹底されていないと、つまり、経営者ないしは管理職が「自らの言葉で語って」いないと軸の浸透はありえません。岡田監督も中嶋監督も自らのみならずコーチ陣にも「自らの言葉として語る」ことからはじめたのではないかと思います。
いくら軸を徹底しても、優勝できるチームと優勝できないチームが存在するように、会社の軸が①社会的に②経済的(顧客的)に③環境的に適っていなければ継続的な結果はついてこないともいえます。とても難しいことです。多くの会社が試行錯誤の中で評価とは、報酬とは、自問自答を繰り返しています。そんな中で、一筋の明かりをともしてくれたのが、岡田監督であり、中嶋監督です。

経営者や管理職は親父御袋でいいのです。スマートな恰好よさではなくどっしりとかまえる親父御袋の思いと小言が人には一番心にしみるのです。あたりまえのことをあたりまえのようにできる日本人にもう一度立ち返る必要を感じます。そのための軸を大切にしたいと思います。

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