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フレックスタイム制について

      2024/01/29

労働時間規制は休憩時間を除き、1週間について40時間、1日について8時間を原則としますが、最近は労働者の主体性を重視して、より柔軟な働き方が出来るフレックスタイム制の導入についてご相談をいただく事が多くなりました。本日は、フレックスタイム制の要件とポイントについてまとめます。

フレックスタイム制とは
事業主は、一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲で、日々の出勤・退勤の両方の時刻を労働者の自由な決定に委ねて、労働者は日々の労働時間の長さなどを自由に決定できる制度です。したがって、労働者が仕事と生活の両立を図りながら効率的に働くことが可能となります。

導入の要件

① 就業規則等に始業及び就業の時刻を労働者の決定に委ねる旨定めること
② 労使協定で以下の事項を定めること ※清算期間が1ヶ月超の場合は監督署に届出が必要
(ア) 対象となる労働者の範囲
(イ) 清算期間(3ヶ月以内)
(ウ) 清算期間中の総労働時間(清算期間における所定労働時間)
(エ) 標準となる1日の労働時間の長さ
(オ) 労働者が労働しなければならない時間帯(コアタイム)を定める場合にはその時間帯の開始及び終了の時刻
(カ) 労働者がその選択により労働することができる時間帯(フレキシブルタイム)に制限を設ける場合には、その時間帯の開始及び終了の時刻

時間外労働の算定
フレックスタイム制のもとでは、清算期間を通じて、実労働時間が法定労働時間の総枠を超えた場合に時間外労働としてカウントされます。
清算期間が1カ月の場合、法定労働時間の総枠は、31日ある月は177.1時間、30日ある月は171.4時間、28日ある月は160.0時間となります。
なお、清算期間が1カ月を超える場合は、清算期間途中でも割増賃金を支払わなければならないケースがありますので注意が必要です。
※1ヶ月ごとに、週平均50時間を超えた労働時間は時間外労働としてカウントしなければならない。(60時間までは25%増、60時間超は50%の割増)

導入時のポイント

  • フレックスタイム制を導入して、出退勤時間が自由になっても、使用者は適正な労働時間を管理して賃金清算をする必要があります。
  • 1日8時間や週40時間を超えた労働時間を直ちに時間外労働として算定する必要が無くなりますが、法定休日や深夜に労働した場合は、それぞれ割増賃金の支払いが必要となります。
  • フレックスタイム制は、労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定に委ねる労働時間制度ですので、特定の曜日だけ通常出勤を求めるなど、通常の労働時間制とフレックスタイム制の混合のような制度はできません。また、管理職が早朝出勤や残業を命ずることはもちろん、フレキシブルタイム中の会議、研修への参加命令もその開始時刻を指示する限り同様に許されないと考えられます。勤務予定表の提出を義務付け、会議はコアタイム時間の中で事前に調整する等、工夫が必要になると考えられます。

参考資料
フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/001140964.pdf

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