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生成AIとの共存について

      2024/05/07

先日、「Copilot for Microsoft 365」を紹介するWebセミナーに参加しました。生成AIを活用したMicrosoftの新しい機能だという程度の知識でしたが、4時間ものセミナーもあっという間に感じるほど、驚きの連続でした。

「Copilot(コバイロット)」は副操縦士を意味しているようで、操縦士である「私(ユーザー)」のアシスタントをしてくれる位置付けになるものです。

昨年11月に一般提供が開始されているそうですが、「生成AI」のセミナータイトルに惹かれて2月に申し込んだものの、「Copilot」のネーミングは、当社のPC保守をお願いしている会社の社長から先日ご紹介いただいて意識が向いたくらいで、全く存在を知りませんでした。セミナーに申し込んでいたのに…です。

例えばExcelでは、関数を自ら書かなくても、自然言語で「Copilot」にプロンプト(指示)するだけで、「私」の処理したい関数を提案してくれます。例えば、商品名と単価、個数が入力された表から、金額を算出して欲しい場合は、空いている列に「=単価×個数」の数式を表示させ“これでどう?”と言った具合に視覚で提案してくるそうです。

一定の金額以上のセルを赤色で塗りつぶして欲しい場合も、そのようにプロンプトすれば、セルの条件付き書式設定を自らしなくても、「Copilot」が表示してくれます。

ここで重要なのは、どういう文章でプロンプトするか、そして提案内容が正しいかの判断をすることです。言葉足らずでは、「Copilot」に伝わらず、違う提案がされ“もっとこうして”と指示する必要が出てきます。それ以前に関数の意味する内容を読み取らなくては、その数字が正しいかどうかの判断はできません。つまり、操縦士である「私」に関数の知識は必要ということで、決して「Copilot」が主役になる訳ではないということです。

車での外出時にメールをしたくても、運転中はスマホ操作ができないので、音声認識でメール作成できればいいのにと思っていましたが、Outlookでは「Copilot」を使うことで、音声を使ってメールの下書きをしてくれます。Excel同様に、自然言語でのプロンプトでのメールの下書きも可能なようです。何より「私」のメール文の特徴を学習して、「私」が入力したかのような文章にすることも可能との話は、便利と思った反面、反対にメールを受け取る側の立場で考えると、ちょっとモヤモヤしました。

しかしながらOutlookも“下書き”にとどまるので、最終的に体裁を整えるなどして「送信」するのは、操縦士である「私」であり、「Copilot」が主役になる訳ではありません。

teamsでは、Web会議に遅れて参加した場合に、「Copilot」にプロンプトすることで、それまでの会議の要旨を5行くらいにまとめて教えてくれます。録画を振り返る際、出席者の音声認識もバー表示されるため、会議のこのくらいのところでAさんが言ってた内容をもう一度聞きたいという時も、Aさんの音声バーをクリックすれば、ピンポイントで振り返ることもできます。

私が子供のころは、セルフのガソリンスタンドは無かったと思います。でも今はセルフスタンドが当たり前になりました。エレベーターガールも、30年くらい前にはまだ存在していたと思いますが、今では自分で操作するのが当たり前になりました。技術的なことは分かりませんが、もしかすると、こう言った場面でもAIが関連しているのでしょうか。

スマホで利用する翻訳機能も、実はAIが使われていますが、それをAIだと意識しながら使う人は少ないのではないでしょうか。AI技術が日常に受け入れられて当たり前に利用されるようになることでAIだと思われなくなる現象を「AI効果」と呼びますが、数年後は、「Copilot」もAIと認識されず当たり前に利用される日もそう遠くないと私は感じました。

検索エンジンへのワードチョイスで、情報収集が違うように、これからは的確なプロンプトのコツを修得し、生成AIとの共存を楽しむべきではないでしょうか。私は新たな相棒となりそうな、副操縦士と仕事をする日が待ち遠しいです。

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