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専門業務型裁量労働制について

      2024/05/27

労働時間のみなし制のうち、一定の研究職・専門職には、専門業務型裁量労働制を導入することができます。導入の際の注意点や法改正についてご案内いたします。

専門業務型裁量労働制とは

業務の性質上、その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量に委ねる必要があるため、業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして定められた20の業務の中から、対象となる業務等を労使協定で定め、労働者を実際にその業務に就かせた場合、労使協定であらかじめ定めた時間労働したものとみなす制度です。

導入の流れ

1.労使協定で以下の事項を定めます。

① 制度の対象とする業務(省令・告示により定められた20業務)
② 1日の労働時間としてみなす時間(みなし労働時間)
③ 対象業務の遂行の手段や時間配分の決定等に関し、使用者が適用労働者に具体的な指示をしないこと
④ 適用労働者の労働時間の状況に応じて実施する健康・福祉確保措置の具体的内容
⑤ 適用労働者からの苦情処理のために実施する措置の具体的内容
⑥ 制度の適用に当たって労働者本人の同意を得なければならないこと
⑦ 制度の適用に労働者が同意をしなかった場合に不利益な取扱いをしてはならないこと
⑧ 制度の適用に関する同意の撤回の手続
⑨ 労使協定の有効期間(※3年以内とすることが望ましい)
⑩ 労働時間の状況、健康・福祉確保措置の実施状況、苦情処理措置の実施状況、同意及び同意の撤回の労働者ごとの記録を協定の有効期間中及びその期間満了後3年間保存すること

2.個別の労働契約や就業規則等を整備し、労働基準監督署に協定届を届け出る。

3.労働者本人の同意を得る(令和6年4月1日から必要となります)

4.制度を実施します。有効期間が満了し、継続する場合は、1へ

令和6年4月1日改正事項

専門業務型裁量労働制の対象となる業務に「銀行又は証券会社における顧客の合併及び買収に関する調査又は分析及びこれに基づく合併及び買収に関する考案及び助言の業務(いわゆるM&Aアドバイザーの業務)」が追加されました。

健康・福祉確保措置として、以下の措置を実施する為の留意事項が追加されました。以下①、②の中からそれぞれ1つづつ以上実施することが望ましいことに留意し、このうち、特に把握した対象労働者の勤務状況及びその健康状態を踏まえ、★を実施することが望ましいとされています。

①事業場の適用労働者全員を対象とする措置

・勤務間インターバルの確保
・深夜労働の回数制限
・労働時間の上限措置(一定の労働時間を超えた場合の制度の適用解除)★
・年次有給休暇についてまとまった日数連続して取得することを含めたその取得促進

②個々の適用労働者の状況に応じて講ずる措置

・一定の労働時間を超える対象労働者への医師の面接指導
・代償休日又は特別な休暇の付与
・健康診断の実施
・心とからだの健康問題についての相談窓口設置
・適切な部署への配置転換
・産業医等による助言・指導又は対象労働者に産業医等による保健指導を受けさせること

労働者本人の同意を得る必要があり、以下の事項を労使協定に定める必要があります。

①本人同意を得ること、②同意をしなかった場合に不利益取り扱いをしないこと、③同意の撤回の手続き

労使協定の作成など、制度導入の際にはご相談ください。

参考資料

裁量労働制の導入・継続には新たな手続きが必要です(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/001080850.pdf

専門業務型裁量労働制について(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/001164346.pdf

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