就業規則とは何ぞや
厚生労働省関連の助成金を請求する際に、就業規則の作成、見直しが要件となるケースが非常に多いです。その際に、中小零細経営者には2タイプの反応があります。
一つは、ルールは俺が決めるから、助成金が貰えればいい。そのための規程を作成してほしい。活用など考えないタイプ。
もう一つは、働く者と働いてもらう者の間には約束事が発生するから、法的義務(常時10人以上を雇用している会社では就業規則の作成・労働基準監督署への届出が必要)がなくても、文書化して明確にしておきたい。その方が問題が発生したときに活用できる。それに求人をする上でもあった方が安心してもらえる。とことん活用タイプ。
労働契約法では「賃金を支払うもの」を使用者、「賃金を貰って労務を提供するもの」を従業員として位置付け、使用者と従業員の「義務」を明確化しています。この最大の義務以外に使用者には、安全に健康に働いてもらうための環境を提供する義務とハラスメントを放置しない、対策を講じる義務があります。それに対して、従業員には、職場はお金を稼ぎに来る場所として職務に専念する義務と各従業員がまちまちの方向を向かないための上司の業務命令に従う義務そして集団を維持するために会社の秩序を守る義務があります。
これらの使用者の義務は従業員から見れば権利であり、従業員の義務は使用者から見れば業務指導内容となります。それを明確にしたものが「就業規則」となります。
いかがでしょうか。権利を主張する前に義務を全うする。この原則を使用者と従業員が実践する時、つまりは就業規則の徹底活用が職場の健全経営の証となります。健全な職場には良い仲間が集い、良い仲間がさらなる良い仲間を呼び込みます。一時の助成金のためだけに就業規則を活用するのは残念でなりません。就業規則は会社にとって、従業員にとって一生ものです。約束事の実践が信頼関係をつくっていきます。
生き生きワクワク働ける会社になるためにも、ぜひ就業規則に思いを込めて使用者も従業員も関与し続けてほしいと思います。