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■交通用具の禁止について

      2016/02/21

こんにちはっ 今回はお客様にご相談をいただきましたので、交通用具(自動車やバイク)による通勤の禁止についてお話します。

ご相談いただいた社長のご相談はバイク通勤を希望している労働者がいるが、何故バイク通勤を禁止している会社が多いのかということとバイク通勤を認めてあげなくても問題ないのかということでした。
結論から申し上げますと、労働者の事故リスクの軽減と通勤途中に交通事故を起こしてしまい、相手に死傷等の損害を与えた場合にその責任を会社も会社が負わなければならない可能性を回避するためです。また、会社が交通用具の通勤を禁止することは法律上問題ありません。

労働者の通勤手段についてどのような方法でも認めてあげなければならないという法律はありません。それよりも相手のある事故を起こした場合、その過失により本人が損害賠償責任を負うことは当然としても以下の法律を根拠に会社が交通事故の相手に責任を負うことになる可能性があります。

民法715条(使用者等の責任)
1.ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2.使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
3.前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

使用者の責任について、通勤途中はこの法文にある“事業の執行”にあたるのかということについて、例えば出勤途中に事故を起こした日の前日、会社が過度な時間外労働を命じていて、次の日の出勤時時間にも配慮がなかった場合、会社に責任がないと言えるでしょうか。やはりその事故の原因には使用者の前日の過度の労働によるという判断がされてしまうかもしれません。

公共交通機関の利用よりも自動車やバイクの利用は交通事故のリスクが高まるのは間違いありません。そのリスクを軽減するために交通用具の禁止は有効と言えます。

ただし、公共交通機関の利用が難しい場所においては会社の業務を円滑に行うためには交通用具の利用は欠かせません。そのため、身体への無理な負担を避けるためにも労働者の健康状態や通勤距離を管理し、自家用車やバイクの任意保険・自賠責保険の加入状況の確認等、ルールを整備しておくと良いでしょう。

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