■雇用保険法が一部改正されました(金澤)
2016/02/21
最近、急に暑くなってきましたね。皆様、体調はいかがでしょうか?
ついこの間まで寒くて暖房を入れていたはずなのに、冬から急に夏になった様で、服装に困ってしまいますよね。
・・・と言いつつ、正式な「春服」なるものは殆ど持ち合わせておらず、春は冬服と夏服をうまいことどうにかしてやり過ごしているので、実はあまり困っていませんでした。
オシャレぶった発言をしてしまい、大変失礼致しました。
ところで、平成26年4月1日から、雇用保険法が一部改正されたことをご存知ですか?
今回は、その内容をご紹介します。労働者にとっては嬉しい変更ばかりですので、要チェックです!
1)「育児休業給付」の給付割合が変更します。
従前は給付割合が「休業開始前賃金の50%」でしたが、原則1歳未満の子を養育する場合の「休業開始後の6ヶ月間」のみ、67%に引き上げられます。中途半端な数字ですが、これは健康保険から給付される「出産手当金」の割合である「3分の2」に合わせたそうです。
父母両方がそれぞれ育休を取った場合も、各々が最初の6ヶ月間は67%支給されます。これで男性の育休取得率が少しは上がるといいですね。
2)「就業促進定着手当」が始まりました。(再就職手当の拡充)
再就職手当を受給した方が、再就職後の会社で6ヶ月間「雇用保険の被保険者として」継続して勤務した場合、一時金が支給されます。
但し、これは「再就職後の賃金日額が、前の会社の離職時の賃金日額を下回る場合」のみが対象です。つまり、転職により賃金が低下してしまった場合のみ対象です。
受給できる金額は、「下がってしまった賃金日額(差額)×再就職後6ヶ月間の賃金支払い基礎日数」です。
簡単にご説明しますと、4月1日に再就職した方が、前の会社では日額10,000円の賃金だったのに、転職により日額9,000円(月給制)に下がってしまった場合は、
(10,000円-9,000円)×183日(月給制なら歴日数)=183,000円が一時金で支給されるということです。但し、上限額(基本手当日額×支給残日数×40%)がありますので、それを超える場合は、上限額が支給されます。
場合によってはかなり大きな金額になりますので、再就職手当を受給された方は、忘れずに「再就職後6ヶ月経過した日の翌日から2ヶ月以内」に申請するようにしてください。
再就職からおおむね5ヶ月後にハローワークから申請書が郵送されることになっておりますが、届かない場合はハローワークにお問い合わせください。
3)「特定受給資格者」の範囲が拡大します。
「賃金の支払い遅延によるもの」の中に、「賃金の額の3分の1を超える額が支払い期日までに支払われなかった月が、離職の直前6ヶ月の間のいずれかに3ヶ月あったこと等により離職した者」が追加されました。
さらに「長時間労働によるもの」の中に、「離職の直前6ヶ月間のうちにいずれか連続する3ヶ月で45時間の時間外労働があったため離職したもの」と、「離職の直前6ヶ月間のうちに、いずれか1ヶ月で100時間、またはいずれか連続する2ヶ月以上の期間の時間外労働を平均して1ヶ月で80時間を超える時間外労働が行われたため離職した者」が追加されました。
後者の長時間労働の方の基準は、見覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?そうです。厚生労働省が定める「過労死の労災認定基準」で出てくる基準です。
過労死と認定されるような過酷な労働実態があったのであれば、特定受給資格者と認めてあげてもいいのではないか?ということでしょうか。
逆にいえば、会社としては「自己都合退職したと思っていたら、後になって本人が過重労働を主張し、会社都合退職への退職理由変更を求められる」というリスクが今までより高まることになりますので、要注意です。
他にも、平成25年度末までとされていた「個別延長給付」「特定理由離職者の給付日数増加の暫定措置」が延長されたことがありますが、こちらの詳細は割愛致します。
4月1日の法改正は、雇用保険に限らず「年金」「健保」でもございますので、併せてチェックしていただくことをオススメ致します。
これから暑い夏を迎えることになりますが、皆様張り切って乗り越えていきましょう!