■採用面接時の留意点
2016/02/21
こんにちはっ大堀です。長い残暑もようやく落ち着き、秋らしさが日に日に増してきたことを感じます。この時期は中途採用を検討している会社さんや春採用に向けて忙しくされている会社さんも多いのではないでしょうか。そこで今回は面接時の留意点をまとめます。
日本国憲法は、全ての人に職業選択の自由を保障しています。そのため、採用面接時においても、業務に関係のない要因に基づいて、採用の可否を決定する等の差別的な取扱いは許されません。職業安定法においても、募集を行う際に原則として収集してはならない個人情報が規定されています。(職業安定法違反の場合、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金がありうる)
採用選考においては以下の2点を基本的な考え方として実施することが大切です。
・ 応募者の基本的人権を尊重すること
・ 応募者の適性・能力のみを基準として行うこと
具体的に採用選考時に配慮すべき事項として厚生労働省が掲げる事項は、
1.『本人に責任のない事項を把握の把握』
・本籍・出生地に関すること
・家族に関すること(職業、続柄、健康、地位、学歴、収入、資産など)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること
2.『本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)を把握』
・宗教に関すること・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合、学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞、雑誌、愛読書などに関すること
3.『採用選考の方法』
・身元調査などの実施
・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施
なるほど、確かにこれらは業務にも直接の関連性が薄いですし、好奇心によって質問や実施をしてしまうこともありそうです。
しかし、会社にも採用の自由が認められる中、応募者の既往症や身体的特徴について業務の遂行上どうしても質問が必要な場合があります。(運転業務に従事させる場合において、運転経験やスキル、運転中に発症が懸念されるような既往症等)これらは、差別では無く業務遂行上に必要な質問として認識することが必要です。応募者への気持ちには充分配慮しながら、当該応募者を採用した際に会社がするべき安全配慮義務の観点から必要な情報については応募者が提供してくれるような採用面接をしましょう。
何のためにこの質問をするのか、何のためにこの筆記試験を実施するのか再度担当者間で確認して、会社の求める人材と充分に合致する人材の確保がしたいものですね。