■有期雇用特別措置法について
2016/02/21
労働契約法が改正され、平成25年4月から『無期転換ルール』が導入されています。
この制度により、同一の使用者との有期労働契約が『5年』を超えて繰り返し更新された場合には労働者の申込みにより、無期労働契約に転換するというものです。この制度が制定されてから私どもは有期雇用者に対して、特に定年後に継続雇用された高齢労働者に対してどのような対応をするべきか議論してまいりました。しかし無期転換ルールに一定の特例を認める『専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法』が平成26年11月28日に公布、平成27年4月1日より施行されその議論は決着しております。
今回施行された『無期転換ルール』の特例については、以下のとおりです。
○特例の対象者
1)『5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務』に就く高度専門的知識等を有する有期雇用労働者
2) 定年後に有期契約で継続雇用される高齢者
○特例の効果
特例の対象者について、労働契約法に基づく無期転換申込権発生までの期間(現行5年)を延長し、次の期間は、無期転換申込権が発生しないこととする。
1)の者: 一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く期間(上限:10年)
2)の者: 定年後引き続き雇用されている期間
無期転換ルールの導入により、有期雇用契約者、特に定年退職後の高齢者について、無期転換申込権が発生する直前に企業側が雇止めをすることにより雇用がより不安定になる懸念があったのでしょう。この特例により、定年退職後の高齢者の方の有期契約による再雇用等について、無期転換ルールを気にしなくてもよいことになりますが、特例の適用を受けるためには、所定の計画を作成し厚生労働大臣の認定を受ける必要があり、認定を受けられる条件もあります。
この特例は、定年後、継続雇用される者に適用されるため、60歳以降に新たに雇い入れされる有期契約労働者については、無期雇用転換申込権が発生することが考えられるので注意が必要です。